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改修への道⑪ ~屋根どうする~_c0177665_10462322.jpg
できる作業を進めると同時に、改修の方針を決めるために様々な検討を行わないといけない。
言うまでもなく、間にミーティングや問い合わせを何度も挟んでの作業。

■屋根材の検討■
屋根を部分的に補修する案が出ているが、業者さんの見積りでは足場代を抜いても200万前後だ。
それならもっと抜本的に、大きい屋根を上から一枚乗せる(A案)か、前述のSさん宅のように大きい屋根を傘をかけるように一枚かけてしまう(B案)のはどうか?より安価で容易なのではないか?ということについて検討していた。

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🌟A案
「大きい屋根を上から一枚乗せる」のは広く一般的に行われている方法で、屋根カバー工法とか、二重屋根工法とか言われている。
古い屋根をふき替えなくて済むので工期が短く、ゴミやゴミの処分費も出じず、工費も安くなる傾向があるのが利点。
軒先を少し伸ばせたら、農場の建物の元々の「軒先がすごく短くて風雨がモロに壁に当たる」という問題点を解消できるのではないか、という期待もあった。

🌟B案
「傘をかけるように大きい屋根を一枚かける」のはブッ飛び案例として前述のSさん宅編で紹介した通り。既存の屋根との間に空間があるので風も抜けるし、間に防水シートなど張らなくていいので鉄板1枚のみとシンプル。日射をさえぎる効果は抜群と思われる。コストも安そう。農場を設計建築したながたまさんの一案でもある。

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さて。
本やネットを読みまくり、Sさんやながたまさん、知り合いの大工さん、工務店さんにもおいでいただいて現場を見てもらいながら詳しく聞いてみた。
改修への道⑪ ~屋根どうする~_c0177665_16140995.jpg
(写真は別の日のもの)
するとどうだろう。
興味深いことに、聞いた方々みなさんそれぞれかなり別々のことをおっしゃったのだ。
共通していたのは「複雑な作りの建物だから難しいよね」ということぐらいか。
ある方が「できる」「大丈夫」と言うことが、別の方は「難しい」「あまり効果が期待できない」という意見だったりする。もしくは「むしろ自分だったらこうする」と全く別の案が出てきたりする。
もちろんそれぞれ実経験や詳しい知見に基づいていて、根拠もきちんと教えてくださる。どれもなるほどその通りと頷くばかり。
だから、つまり、「いろいろな考え方ややり方があり、メリットもデメリットもある」ということなのだ。
みなさんにお聞きするまで、そんな当たり前のことに全然気づかなかった。


建築に正解はないのだと思う。


設計したり建てたりする人が100人いれば方法が100通りあるくらいのイメージでいいのではないか。
その中から、今の農場の形、今の自分達に合った方法をよーく考えながら選んでいくしかないのだーー。
わーーー。
(だから設計や工事を誰と一緒に組むか、誰に頼むか、はとっても大事 ということにも気づいた。)



屋根の話に戻る。
建物の背が高く複雑に入り組んでいることから、B案だとかなりの高さと壮大な面積が必要ということで、現実的ではないことからB案は却下。

A案に関しては屋根材どうする、構造どうするなどでいろいろな方法があるが、大雑把で安価な方法はDIYならいいが、プロに頼むならきちんとした施工でないとなかなか請け負ってもらえなさそうということがわかってきた。(大雑把工法は耐久性や漏水の心配からお勧めできないとのこと)プロなのだからきちんと確実な仕事がしたいのは当然だ。
屋根はこまめにメンテナンスができないことや、20年持たせたいという前提からも、今回はDIYでやるよりプロに確実な施工をしてもらった方がよかろうと判断。しかしそれだと、A案をプロに確実な方法でやってもらうと、最初の「部分的修理案」と工費がさほど変わらないか、それ以上らしい。という訳でA案も却下。

そんなこんなで結局は
「今の屋根の傷んでいるところを部分的に補修する」という最初の案に、
戻った!!(笑)
(もちろんもし万が一ふんだんに資金が集まったら、全面的に取り換えたい。)
大変勉強になりました。

それにしてもみなさん忙しい中(しかもプロの方々)、農場へ足を運んでくださり、現場を見ながらたくさんのアイディアをくださり、我々素人の質問にも丁寧に回答をしてくださったこと、本当にありがたい。本当に、ありがとうございました。

(かおり)

# by kurashilabo | 2024-04-19 11:00 | 母屋改修プロジェクト(2023.11~)

改修への道⑩ ~構造材の補強~_c0177665_15131509.jpg


今回の記事は短く。
11月の建物の健康診断で、雨で根元が腐って宙に浮いている(!)柱が一本、同じく雨水で腐った地下室の梁が一本見つかった。
屋根や天井の構造を支えている大事な部分なので、早急に補強しなくてはいけない。
これは特に議論の必要なしなので、補強を渡辺工務店さんにお願いした。

大工さんお一人で週末にぱぱっと仕上げてくださった。
ほっと一安心。
ありがとうございました!

(かおり)


# by kurashilabo | 2024-04-14 11:04 | 母屋改修プロジェクト(2023.11~)

改修への道⑨ ~ドローン撮影~_c0177665_16122607.jpg

農場の話をするときに、手元に写真や見取り図などの資料が欲しい。
というわけで資料ブックを作ることにした。

母屋の建物の横からの写真はあるけれど、農場の複雑な屋根のかたちや、建物の配置がわかる俯瞰写真がほしい。
というわけで日付が少し前後するが、3月7日㈭に近所のお兄さん的存在のK兄に協力してもらい、ドローン撮影してもらった。
ドローン、いいね!

しかし屋根が白いですね…唯一赤いのは、去年だったか、やっちゃんが塗り直してくれた屋根。
塗装だけでもしたい!

(かおり)


# by kurashilabo | 2024-03-18 16:15 | 母屋改修プロジェクト(2023.11~)

改修に関心がある人を募集して、オープンミーティングを開催。
オンライン一回、リアル一回。
関心があれど残念ながら都合が合わなかった人もいたけれど、オンラインでは3名、リアルでは4名が集まってくれた。
改修への道⑧ ~3月オープンミーティング~_c0177665_16025092.jpg
リアルでは、まずは外を一周して現状説明。
ランチ後、中もほぼすべての部屋を回って現状確認。
屋根裏も探索!

DIY好きな人たちの集まりだけあって、休憩時間もDIY談義に花が咲く…楽しい。

「ここは壁をぶち抜いて一間にしては?」「洗濯機は中にあったらいいよね」「灯油いっぱい使っちゃってるけど、エネルギー利用を抑えたエコな農場にしたいね」「書籍コーナーはここにあってもいいね」等々、活発に意見が交わされた時間でした。
自分たちでできそうな部分が少し見えて、その内容やそこに着手していくことがだいたい決まったので、少しずつ進めていきたい!



(かおり)




# by kurashilabo | 2024-03-17 15:55 | 母屋改修プロジェクト(2023.11~)

建物の健康診断をしてくださった渡辺木材の渡辺さんに、ムチャぶりを承知で「屋根と壁をざっくりこんな感じで直したら、いくらかかるか教えてください!」とお願いしてあった。

農場は面積も大きい、窓も多い、その窓も変な形してる規格外、屋根は複雑、ときているので(そこが面白いところでもあるのだが)渡辺さんは頭を抱えていたが、大変多忙な中でどうにかこうにか概算見積を出してくださった。感謝!

さて金額は、屋根と壁と窓枠だけで1千万超。
想像はしていたが、おおお。
※あくまで概算なのでこれで行こうというわけではありません。

屋根と壁の詳しい改修ポイントも詳しく聞くことができた。
屋根は、屋根材自体の状態はいいけれど、軒先・軒下の傷みが激しく、その部分だけ交換が必要。
しかし交換のためには屋根全体を剥がさないといけない。
壁は、とにかく面積が大きく窓や屋根との接続部も多い。板材の代わりにガルバリウム鋼板という安い素材を貼る案だけれど、それでも建物の複雑さが金額を押し上げている。
ふむふむ。

ちなみに農場が50年もっているのはなぜか、ずっと気になっていたので聞いてみた。
建物の平均寿命は20~30年という中で、大した大規模改修もせずに50年もっているのは結構すごいのではないか?

渡辺さんの答えは、
・壁が木材であり、屋根が金属の板であること。
  …建物全体が軽いため、地震などが来ても負荷が小さい。
・壁が木材(杉板)であること。
  …現在主流の窯業系サイディングや銅板に比べ、木材は上下の切断面さえ雨から守れば非常に外の環境に強い。農場の壁材も、痩せてはいるが腐ったりは全然しておらず状態は良い。(ただ上下の切断面が目地板などでカバーされておらず、その隙間から雨漏りしやすくはなっている状態)

なるほど。
とりあえず腐っている柱の補修はしてもらうことと、毎回雨漏りしているトップライトは埋める方向で、部分補修から始めることになった。
(かおり)

# by kurashilabo | 2024-03-14 15:32 | 母屋改修プロジェクト(2023.11~)