2008年 01月 02日
では、いざ見学してみましょう!
水辺の植物や水生動物、鳥などが集まり、一つの生態系を生み出しています。夏には蓮の花が咲き誇り、まるで浄土に辿りついたかのような感覚になります。
冬には雪が積もることも。片屋根のユニークな建物。中には大きなダイニングキッチンとスタッフの居住スペース、ゲストルームなどがあります。
大人数でご飯を作ったり食べたりすることができます。畑で取ったばかりのお野菜をいただける事は大きな喜びです。夜はゲストによって、おしゃべりを楽しんだり、演奏会になったり、静かに虫の音を楽しんだり、色んな表情に変わります。
ゲストの宿舎。入るとすぐに上下の階段がある面白い造り。お風呂・トイレ・キッチンもついています。土間には別途、靴のまま使える汲み取りトイレも付いており、発酵させて肥料用に貯めています。
2010年2月~7月の間、毎月1回、1泊2日の建設ワークショップを開催し、参加者のメンバーとともに作りました。設計図はなく、みんなのアイデアを盛り込んだイラストを基にしています。
2013年3月~、ツリーハウス、縄文ハウスに続いて、露天風呂を建設するワークショップを開いています。みんなでアイデアと力を出し合いながら一つのものを完成させるのは大きな喜びです。興味がある方はぜひご参加ください。
住居ならぬ、ぶぅ居。「家」という字はそもそも高床式住居に人が住み、その下に豚が住む事から作られた漢字です。それで完成したのがコレ!実際に、上にはスタッフが、下にはミニ豚のマロが仲良く(?)住んでいます。人類史を遡って経験するというコンセプトです。
手作りの石釜(一層式)は、パンを焼いたりピザをやいたり、そのために木材を調達したり薪割りをしたりと色々楽しめます。燻煙箱はベーコンや卵や魚など、様々なものを燻煙する事ができます。
家畜からでるトンプンとケイフンを還元して野菜を作っています。農場の畑は40年近く続けているので、良い野菜が育ちます。一年を通して旬のお野菜を60品目ほど育てています。
通風、採光のよい鶏舎で平飼いをしています。ボリスブラウンとネラという品種を400羽程度飼っています。
16坪(50㎡)の部屋に100羽の群で平飼いをしています。写真、左中央にいるように雄も数羽いれています。地面はモミガラと稲ワラで、次第に良質の鶏糞ができあがります。
大きなカシの木の下にあります。イングリッシュバークシャーという中型(成長が遅い)の豚を40頭ほど飼っています。
自家配合飼料(大麦・米ぬか)、給食残飯、牧草・雑草・野菜クズなどを毎日与えて育てます。病気がほとんど全くでないので、抗生物質などを与えず、お肉としてもおいしく安心していただけます。
豚舎の部屋は毎日掃除をして、ワラとおがくずを交換します。集めたものは山盛りに積んで発酵させて堆肥を作ります。ひと月に一度、切り替えして3ヶ月ほどすると良質の堆肥ができあがります。
夏場はハエが発生するのでニワトリにハエ退治を頑張ってもらっています。
2008年 01月 01日
鶏について
■心得!
鶏たちはいやいや人と一緒にいるのではありません。無論、人は卵や肉が欲しくて「飼う」訳ですが、鶏にしてみればそれは食べ物と安全と生殖を保障されることであり、本来それらは彼らにとっても不幸なことではありません。彼らもまた人と共にいることを選択して野鶏からニワトリになってきたのです。彼らが主体として自らの生存プログラムを全うすることができること。それを限られた条件の中ではあれ保障することによって、「人⇔鶏」の関係は格段に豊かで面白いものになるはずです。
「養鶏業」は家畜とか経済動物という呼び方をすることによって「飼う」という行為を「人→鶏」の一方通行にしてしまいました。市場経済の下で「工場化」した近代化養鶏はその極北です。それは鶏にとってだけでなく、人にとっても大きな不幸であったし、「暮らし」を貧しいものにしてきました。私たちは鶏をニワトリとしてまるごと暮らしの平面に取り戻したいと考えます。鶏が不幸のままで人が幸せになることはありません。鶏が卵や肉だけでなく、コンパニオンアニマルとして、その美しい姿や声や振る舞いで人に語りかけてくる風景をメルヘンの世界のことだけにしてはなりません。
■飼い方
鶏を飼うのに特別なことは何もなく、日々の繰り返しの作業を確実にやることが大事です。朝の水やりと観察、まき餌と採卵、夕方の餌やりと緑餌(牧草・雑草)、採卵、餌作り、卵詰め等々です。ルーティンワークは人の暮らしと鶏の暮らしの接点ですから、あえていえば鶏の動きのリズム、生活のリズムに寄り添っていくことが大事です。人はそれによって鶏の様子をつかみ、鶏にとってそれは基本的な環境です。
鶏は一群100羽程度でヒナの時からオールアウト(卵を産まなった段階でお肉にする)になるまで同じ部屋で生活します。群のあり方と部屋のあり方は彼らの世界のすべてです。
一群を何羽にするか、雄を入れるか、坪羽数は何羽にするか(部屋の広さ)、床の状態(組成、湿度、温度等)、通風と採光…、これらは彼らの生活基本条件(インフラ)ですから夢おろそかには出来ません。
■餌の考え方
餌は鶏の健康だけでなく、卵質や肉質を決める最も重要な要件です。鶏でも豚でも同じですが、餌は人の暮らしからでる残り物というのが基本的考え方です。家庭でいえば残飯類であり、もっと広くとればクズ小麦や大麦、米ぬか、給食残飯、オカラ等々ということになります。そういうものをその食性の広さ(何でもよく食べる)と強靭な胃腸でもって良質のタンパク質食品に変えるというのが鶏や豚の家畜としての正しい位置です。
●現在は次の三本柱でまかなっています。
・給食残飯(ごはん)とオカラと米ぬかを合わせて発酵させたもの。
・自家配合飼料。クズ小麦、大麦、米ぬか、魚粉、海藻粉、貝化石(ミネラル)等々を混合したもの。
・緑餌。牧草を作り、また季節によっては雑草を刈り、1日1羽100gを目安に与えます。
・その他。給食残飯のおかず、養豚からでるラードなどを適宜与えます。
■品種
昭和30年代以降、養鶏は採卵用と肉用(ブロイラー)に品種も飼い方も完全に分かれましたが、やさと農場では卵をとったあとで、あるいは途中で肉としても利用するという考え方で、いわゆる卵肉兼用種を飼っています。名古屋コーチン、横斑プリマス(純系でない)など昭和30年代まで一般に飼われていた古典的品種群です。その他採卵鶏としてゴトー社の「もみじ」という銘柄の鶏も飼っています。
■育雛
ここでは初生ビナ(産まれて1日)をふ化場から購入し育てます。育雛は子育てと同じです。保護するところは保護、鍛えるところは鍛えて、丈夫な胃腸をもった、ここの餌と飼い方にあった鶏を作ります。基本的には山岸式養鶏の育雛法に従っています。その特徴は
・玄米で餌付けし、初期からススキなどの粗ごうな緑餌を与えて、粗飼料に耐える丈夫な胃腸を作る。
・幼雛時には十分なタンパクを与えて健全な成長を促すが、大雛時にはタンパク質を抑え粗飼料化し、緑餌を多給して性成熟を抑制して丈夫で長持ちする体を作る。
普通の養鶏では産み出すまでに4~5ヶ月ですが、ここでは5~6ヶ月かかります(品種にもよる)。ヒヨコは見た目よりもずっと丈夫で生きる力を備えています。しかし代謝能力が高く体が小さい分、大変脆弱な面もあわせて持っています。そこを見極めることが大事です。
■防疫
基本的な考え方は次のようなものです。
・密飼いはしない。開放鶏舎であること。
・ワクチンは定められたもの(ニューカッスル、ケイトウ等)を初期にやる以外はやりません。抗生物質等も恒常的に餌に入れる等はしません。
・鶏舎に入るのは限られた人間とし、特に他の養鶏関係者が近づくことは避けます。
・育雛時は神経を使います。鶏舎をきれいに掃除し(前の鶏糞を残さない)、床に籾殻と稲ワラを厚く敷いてコクシジウム等の常在の病気を防ぎます。また育雛舎に入る時は靴を履き替え、他の部屋の鶏糞を持ち込まないようにします。このように注意しても病気は出るときは出るし、一定の頻度で死ぬ鶏も出ます。大事なことは病気にはなるが死ぬことはない、あるいは数羽死んでも多数がバタバタいくことがないというレベルに健康度と基本的使用環境を維持することです。病原菌を排除することはできません。一つの菌が爆発的に増えることがないよう鶏を含めた鶏舎内生態系をうまくコントロールすることを心がけています。
■放し飼い
約800羽の出荷用とは別に、10羽前後を豚舎周辺に放し飼いにしています。またチャボや烏骨鶏などもユル~く飼っています。あえていえば観賞用ないし自給用ですが、彼らを見ながら遠い昔、人と鶏が同じ生活面で暮らしていた時代、あるいは野鶏と人の出会いのシーンを想像することは楽しいことです。出荷用の800羽は山岸養鶏法といえども十分に管理的で鶏は限られた姿しか人にはみせません。放し飼いの鶏たちはその気ままな生活ぶりで養鶏とは卵と肉をとることばかりではないのだ、人と鶏は友達なんだということを教えてくれます。
■購入方法
やさと農場に直接ご来場いただくか、電話・ファックス・メールでご注文いただいて、発送する形になります。ご希望の種類と数量をお伝えください。野菜セットに同梱することもできます。
赤玉卵 400円/10個 240円/6個
*夏場はニワトリがバテて卵量が減るのでご希望に添えない場合もございます。ご了承ください。
2008年 01月 01日
豚について
■こだわり
やさと農場の養豚の規模は、養豚業として営むにはあまりに小さいサイズです。種豚、母豚の他に、肥育豚はわずか40頭程度しかいません。現在の一般的な養豚は、経済効率だけに重点が置かれています。その結果、成長に時間のかかる品種は淘汰され、狭い空間にたくさんの豚を閉じ込める飼育環境が作られ、成長を促進する飼料が改良されてきました。
やさと農場の養豚は経済的には非効率であるものの、かつてあった本来の良さを残しています。それは輸入の穀物飼料への依存ではく、地域で不要な食品残渣を利用することであり、そのような粗飼料に耐えて、日本の風土に適した品種を飼育し、健康的な空間で飼育し、糞尿を肥やしに買えて生活の中に循環させることです。
やさと農場の養豚のこだわりを上げるとすれば、経済効率化の波に乗らず、本来的な養豚を行っているということでしょう。
■豚の心得
きれいにスライスされて、パッケージされているお肉を食べていることで、無意識に「生産から消費するまでの連続性」を分け隔ててしまっていることが多くあります。もしかすると無意識に考えないようにしていることかもしれません。
お肉を食べること、それは一つの大切な命を頂くということです。そのことに感謝することはとっても大切なこと。意識を持ってそのお肉が食卓に上がるまでの過程に目を向けてみませんか?もしかすると、そのお肉はぎゅうぎゅう詰めの豚舎に押しこまれ、生き物としてではなく、単なる物として飼われた豚かもしれません。どうせ殺してしまうのだからどのように飼っても構わないと思うかどうか。たとえお肉になってしまう家畜だとしても、それまでの期間を大事に、生き物としての尊厳を持って育ててあげたいと考えます。
■飼い方
毎日朝夕の2回、エサと水換えをしています。朝はエサを食べている間に豚房の掃除をし、ワラやおがくずなどで快適なベットを作ります。一般的な養豚では不断給餌をして、かなり省力していますが、農場では大規模ではないので、一部屋一部屋様子を見ながら丁寧に飼うことができます。出産は年に5~6回程度の予定で種付けをしていますが、生き物相手なのでなかなか予定通りには行きません。1回に生まれる子豚が10頭前後なので、小さいうちは1部屋で飼い、成長と頭数に応じて二部屋に分けることもあります。やさと農場の豚房では8頭以内での肥育が良いと考えています。
■品種
農場では昔からずっと中ヨークシャーと、イングリッシュバークシャーを飼育してきました。粗飼料でもよく育ち、丈夫でおとなしく、日本の風土に馴染んでいるというのが選ばれた理由です。
経済高度成長の開始前には、日本の豚の9割が中ヨークであり、残りの1割がイングリッシュバークシャーだったものの、近代養豚の開始と発展と共に瞬く間に姿を消していったようです。現在では、中ヨークシャーは巷で「幻の豚」と呼ばれるくらいに希少で、全国にも数百頭程度しか残っていません。バークシャーも、黒豚として高級な肉として市場にでているようではありますが、ほとんどが大型品種のアメリカンバークであり、イングリッシュバークはごく僅かしか残っていないそうです。どちらも成長が遅く、一般的な大型品種が6−7ヶ月で出荷出来るのに比べて、4−5ヶ月余計に飼育時間を要します。しかし、その分味が凝縮し、肉質の評価は今でも変わらず最上級にランクします。
■エサ/配合飼料
やさと農場の配合飼料は大麦を中心に、米ぬか、海藻粉、塩を加えて自家配合しています。給食残飯などの濃厚な飼料を利用しているので、それらで必要なタンパクは賄えていると判断していますが、給食残飯の手に入らない夏休みなどは、魚粉などを加えて調整します。
輸入穀物に対してはさまざまな理由から利用を控えているため、大麦は国内産(茨城県産)のクズ大麦を入手しています。米ぬかは近くの味噌屋さんや、米屋さんから購入します。豚にしてみれば配合飼料などの粉っぽいエサよりもオカラや給食残飯のほうが嬉しそうに食べます。
■エサ/オカラ
おからは近くの豆腐屋さんから貰っています。卯の花としても販売されますが、それはほんのごく僅かで、ほとんどが産業廃棄物として捨てられてしまいます。人が食べず、ゴミにしてしまうには勿体ない中間物の有効利用です。おからの他に、端が崩れてしまい商品にならない豆腐も頂いてきます。エサの半分程度をオカラで賄っています。
■エサ/給食残飯
地元の小中学の給食を賄う給食センターから毎日受け取ります。栄養士による献立ですから栄養バランスも良いはずです。曜日によってパンの日やパスタ、ご飯と毎日バラエティに富んでいるので、豚たちは楽しみに待っていますが、粗飼料に耐える豚には多少カロリーの高い気もしています。豚の健康状態をみながら給仕する量を調整しています。
■エサ/緑餌
牛やヤギなどとは違い豚は反芻動物ではありませんが、よく草を食べます。青草には、様々な微量要素が含まれるのでしょう。その効果は未知ではありますが、農場では青草をよく食べさせることが、健康な養豚の秘訣であると考えます。大規模養豚ではほとんど与えませんが、やさと農場では毎日2回のエサやりのうち少なくとも一度は青草を与えています。雑草や、麦などの牧草を与えますが、冬期は、野菜の外葉や芋づるなども大切に利用します。また、草を食べさせることで肉の香りが良くなる効果もあると考えています。
■豚舎
30年前に建てられた木造の建物です。広い豚房にのびのびと暮らしています。明るく風通しの良い快適な豚舎です。種豚、母豚は別棟のおがくず豚舎で飼っています。厚く敷いたおがくずが糞尿と混じり、悪臭を絶ってくれます。
■購入方法
購入を希望する方は会員になるだけです。
(正会員12000円/年、協力会員0円)
やさと農場の豚肉は一般市場での販売を行っておらず、会員制をとっています。毎月(ほとんど第4土曜日)2−3頭を出荷していますが、農場で枝肉をブロックに切り分け、希望量に応じてお届けします。頭数が少ないため必ずしも希望の部位があるとは限りませんが、お気軽にご相談ください。
●取り扱い部位(精肉)
肩/肩ロース/ロース/バラ/ヒレ/モモ/スネ
●協力会員にはどなたでも無料でなっていただけます。
■価格
精肉 2200円/kg(500gから注文可)
ひき肉 450円/1パック(300g)
赤モツ 500円/1セット(300g)
白モツ 500円/1セット(500g)
*その他、普通には手に入らない頭、豚足なども用意できます。
2008年 01月 01日
2009年春~の研修生募集について
【応募資格】有機農業や農的な暮らしに関心があり、技術を身につけたい方や暮らしのあり方を実践を持って考えてみたい方。年齢性別は問いません。
【募集業種】
1.研修生
・有機農業や農的な暮らしの技術を身につけたい方。
・基本単位を1年とします。(短期希望の方はご相談ください)
・短期での体験を希望の方は「農体験できます」の欄ををご覧ください。
【応募方法】やさと農場へ電話やメールにてご応募ください。メールの場合は簡単な略歴や志望動機などを共にお送りください。
【募集期間】研修生は随時募集しておりますが、受け入れが難しい場合(宿舎の都合など)はお断りすることがあるかもしれません。
【給与等】研修生には生活補助程度の謝礼を支給します。居住費や食費等はかかりません。住居は農場内の母屋での共同生活になります。
不明な点などあればお気軽にお問い合わせください。
【MAIL】kurashilabo@gmail.com
【TEL/FAX】0299- 43-6769
興味がある方やお迷いの方、まずはやさと農場に気軽に見学に来てください。見学者には毎回農場をご案内しますので、やさと農場のことが分かると思います。