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改修への道 ~どう改修するかの議論(後編)~

前回のつづき。

改修費用の大きさを考えると、建物を壊して建て直すこともあり得ると思う。
が、今のような建物を再び作ることは不可能だろう。
かと言って、新しくこういう建物を建てたい!という熱烈な想いが
スタッフや会員から出ているわけでも、ない。本当はあれば一番いいのだけど…
でも直さなければ建物がアヤウイのは事実。

難しいのは、「農場という場はあるけれど、実態は無い」というそもそもの場の性質だ。
つまり、スタッフ個々人には「ここでこれがしたい」「こう在りたい」はあるけれど、
農場全体としての”総意”は無いし、あえて作らないようにしてきたし、
価値観はなんとなく共有はしているものの、言語化はあえてしないようにしている。
同じ理由で運営方針や経営目標も無い。
(そこには現代社会への深い問題提起や反省があるのだけど、ここでは書かない)

なので、今回の建物の件のように、
今後どういう農場を作っていくかという”総意”が必要な議論や、
大きな金額が動くような案件の検討が、非常にしづらい。

繰り返すが、個々人としてはあるし、それを実行もしているけれど、
全体での合意となると、細かいところで意見が異なって
「個々人がやりたいこと」から離れていく恐れがあるのだ。
そして経営方針を持たないこの農場が一番大事にしていることが
「個々人がやりたいことをやっていること」なのだ。
(もちろん、業務上やらなければいけないこともキチンとやっているけれど)

そうやってその時々の会員・スタッフの農場での生きざまが積み重なって、
偶然いまの農場がある。
それがここの唯一無二のきらめきの所以であり、弱点でもあると思う。

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コブタのお散歩

話が逸れた!

さてそんな難しさを実感しつつ、議論を重ねてわかったのは、
この場を今のスタッフや、会員さん(少なくとも発言してくれた方々)がオモシロいと思っているということ。
これからも農場を続けたい、続いてほしいと思っているということ。
オモシロい場を今後もオモシロく使っていきたいということ。
その可能性をこの建物はまだまだ秘めているということ。
(具体的には前回参照)


『建物の形は変えない』
議論を経て、全体としてこれに納得し、合意。前述の通り、24年春のはなし。
これを改修の基本方針の一つとすることが決まった。
内部の壁を壊したり付け足したりといった手入れは今までもしてきたし今後もすると思うが、屋根や構造など大まかな形は維持していきたい方針。
(かおり)


by kurashilabo | 2024-09-09 16:44 | 母屋改修プロジェクト(2023.11~)