2024年 09月 09日
改修への道 ~どう改修するかの議論~
『建物のかたちをどうするか』
既存の建物をどう改修するか。
これは母屋改修の話が持ち上がった当初から、大きな話題(課題?)であった。
なにせ50年前の建物だ。住む人も、使い方も、時代ごとに変わってきた。
設立当初は数十名、数家族が住まい、建築に生産に精を出していた。
今は住んでいるのはスタッフ1人。ただし、寝るのは別だが生活は母屋でしている世帯が2つあるので、実質は3世帯。そしてその時々のゲストが寝泊まりしていくスタイル。
この建物をそのままの形で残すのか。
思い切って取り壊して、新しいものを作るのか。
その他か。
スタッフや運営委員会で、年間の来場者数のデータなどを見ながら、何度も意見を出し合った。
「今は使用頻度が高くない部屋もあるし、掃除するマンパワーも足りないのだから、こんなに大きな建物でなくても良いのでは」
「減築や取り壊しも視野に入れていいと思う」という意見。
「建物の形というのは場の雰囲気にすごく影響する。今のこの建物が農場という場を作っている面は大きいと思う。だから建物はこの形を維持したい」という意見。
「今の母屋は隠し部屋があったり、廊下を上がったり曲がったり、迷路みたいでワクワクするんだよね」
「いざという時に(災害時の避難など)人を受け入れ、泊められる場でありたい。そういうセーフティーネットとしての農場の形もありだと思う」
「部屋があり、夏と冬で過ごしやすい部屋の選択肢があるのがいい」
など。
迷路みたいでオモシロいというのは確かにそうで、実際自分の部屋に帰れなくなってウロウロしているゲストがたまに、いや割といる(笑)。そして、そこからコミュニケーションが生まれることも多々ある。
誰を案内しても「うわあ」「すごいですね!」と言われる。わくわくした声で。
費用対効果を分析する冷静な意見がある一方で、建物の形が『場』に影響する、というのは妙に説得力があった。
つづく。
(かおり)
by kurashilabo
| 2024-09-09 15:27
| 母屋改修プロジェクト(2023.11~)