2018年 09月 07日
【会員さんインタビュー】 清水雅宏さん

お話からは、ものづくりがとても好きなことと、林業に携わっている立場から日本のヤマへの熱い想いが伝わってきました。
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プロフィール
お名前:清水雅宏(しみずまさひろ)さん
農場では“マサ”と呼ばれています。
住んでいる場所:八郷
農場歴:10年ぐらい
普段していること:林業(伐採計画など)
好きな木:ホオノキ。大きい花が咲いて、強い良い匂いがする。ヒノキも好き。
農場の好きなところ:ツリーハウスやお風呂のように、何かここに作らせてもらえそうなスペースがあるところ。
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Q.マサさん、(妻の)さつきさんといえば、農場で結婚式を挙げられた二組目ですね。
A.そうだね。あのときはやかましメンバーやツリーハウスメンバー、たくさんの人に装飾や料理、いろいろ手伝ってもらった。はなこりあ(マサさんが所属しているよさこいグループ)やいろんな人に出演してもらって。もう全てやりつくした感じで楽しかったなあ。
Q.農場に関わるようになったのはいつごろからですか?
A.最初に来たのは2008年のやかまし村のイベントで、深く関わるようになったのは2010年のツリーハウスプロジェクトのときからです。ツリーハウス作りのイベントそのものを作るところからやらせてもらいました。イベントの日以外にも、ツリーハウスの作業をするために土日に東京から通っていました。
やかまし村イベントの次に来たのが、ゲストハウスの押し入れを壊してスペースを広げる作業でした。それも面白かった。
Q.ものを作るのが好きなんですね。
A.そう。ものを作っていると落ち着くし、作り方を考えたりするのがすごく楽しい時間です。
東京にいた頃に、(自分が勤めていた)会社の作った家具を3Dレイアウトしてお客さんに見せる仕事をしていました。仕事であるかどうかに関わらずものを作るのは楽しいんですけど、働いてみてやっぱり仕事抜きで自分のものを作る・・・何のしがらみもなく、自分で考えて、自分が楽しくて作るほうが好きだなと気が付きました。
ものを作るといえば、ゲストハウスの作業をしに来たときに、余った時間で八郷で自力建築している人の家を見に行ったことがとても印象に残っています。自分で家を作るということ、それができる場所があるということ、そんな人がいるということで八郷の魅力を感じたし、自分でも家を建てたいと思いました。
Q.今はそんな魅力的な八郷で暮らしています。どのような経緯だったんですか?
A.ツリーハウスを作るときに、豚舎裏の木を間伐してツリーハウスの材にするというイベントをやって、そのころから林業に興味を持つようになりました。ちょうど仕事を探していた時期でもあって、間伐のイベントでお世話になった森林組合の方に八郷で仕事が無いか尋ねたところ、林業の仕事もしている造園会社と、そして家も紹介してもらって八郷に越してきました。それから割とすぐに今の森林組合に移って、今はそこで伐採の計画づくりなどが主な仕事です。
Q.都会との暮らしの違いは感じますか?
A.今住んでいるところは山の中で、それだけでもここに住んで良かったなと思います。うちは田舎らしい近所づきあいは特に無いです。田舎だからといって農的暮らしもしていない。ものを作るのは好きだけど、畑で野菜を作りたいという気持ちはあまり無いかな。おいしい野菜は八郷農場で信頼できる人に作ってもらって、それを食べるというのがうちのスタイルです。
Q.林業の仕事をしている視点から、ヤマへの想いを聞かせていただけますか?
A.私は仕事で山主さんと話をすることが多くて、それを通して山主さんのヤマへの想い入れを聞くのがすごく面白いです。そのヤマが昔どうだったとか、どう作ってきたかとか。人の想いを聞く、知るのは自分にとって経験になります。
でも今は自分のヤマに行くこともない、どうなってるかも分からない山主さんがほとんどです。ヤマの木がお金になりにくい時代で興味を持ちにくい。私は、自分のヤマを自分でやれる山主さんが増えてほしい。あるいはちゃんと興味を持つ山主さんになってほしい。そこをどうしていくか。例えばヤマへ行く作業道を作ることや、一回目二回目ぐらいまでの間伐までは私たちがやって、山主さんが出したい材を出せるぐらいまでの環境を作れば絶対興味がわくと思う。ほんの数千円でも、自分のヤマから出た材がお金になるっていうことを知ってもらえたら。
ヤマは木の畑だから、植えたものは収穫して使っていかないと。もちろん(自然)環境も同時に両立していってね。せっかく山主さんが頑張って植えたんだから、材として出していきたい。