いろいろ問題は多かったにせよ、「人々が生類に対して『仁心』と『慈悲』 の志で接するようになれば、御上が上からあれこれ指図しなくとも世の中は自然と治まり平和な世の中になるものだ」というという「御仕置」(国家統治)についてのディープなイデオロギーは今でも考えさせられるものがある。ディープな分だけ現実政策としては人々の反感も大きかった訳だが。道端に犬がクソをしただけであれこれ言われ、人が犬のクソを拾ってあるくようなマッドな世の中の住人としては「無主犬が迷い込んできたら食事を与えなさい」「病犬や痩せ犬はいたわりなさい」「犬をつないでおく必要はない」などとささやく将軍がいたことはどこか救われた気分になる。(続く) S