2016年 01月 17日
開拓日記2016年1月16日
去年、大勢でワイワイガヤガヤと切り拓いた4反歩くらいの田も、また草が繁り、それが枯れ、風に揺れている。その向こうにはシノ竹の密林が続き、人が足を踏み入れるのを拒んでいるようでさえある。筑波の山に抱きかかえられたこの2町歩ほどの元谷津田は人の気配もなくただ静かだった。病で活力の低下した身体を慣らそうと草刈をし、ひと休みして雲一つない青空を眺めていると「申し訳ないけど気分がいい」。やっとここまできた、そんな気分。
世界は混沌を極めている。益々混迷を深めていくようでさえある。ベルリンの壁が壊れ冷戦が終わった頃は、無邪気にもこれで世界は少し良くなりそうだと思ったものだ。だがそれは世界を押さえ込んでいた地獄の釜の蓋が開けられただけだった。中世も19世紀も20世紀もそのまま生きていて息を吹き返している。21世紀だと思っていたのは先進諸国の人だけだ。世界を支配してきたその西洋近代も先行きが見通せない。
そんな時に何が開拓だと思わないでもない。しかし心は開拓に赴く。申し訳ないけどそこは気分がいい。 S
by kurashilabo
| 2016-01-17 14:59
| 鈴木ふみきのコラム