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やつだ開拓団第二期 始まりました!

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やつだ開拓団第二期が始まりました。

第二期のテーマは、「美しい谷津田の風景を復活させる」です。

ちなみにこの"谷津田(やつだ)"という言葉、開拓団の名称にもなっていますが、よく耳にする"棚田"と比べると、あまり知られていないかもしれません。

そこで、まずは谷津田について簡単に説明したいと思います。

稲作をするには土や水が必要です。そんなこと当たり前、と思うかもしれませんが、岩や石ころが多い土地では農業は難しいですし、どこでも農業ができるかといえばそんなことはありません。また、水は山があって川が流れることで得られるため、文明が川の周辺で起こったのは周知のことですね。

しかし、関東に暮らしていると山はあまり見えません。それは私たちが日本で一番大きい"関東平野"にいるからです。

平野というと、庄内平野や越後平野のように米作りの産地のように思いますが、平野部で稲作ができるようになったのは比較的最近のことです。

考えてみてください。今、パソコン画面から目を離して机を見てみるとします。この平らな机を10分割して田んぼにするとしましょう。そして、どこか一箇所から水を入れて、この10枚の"机田んぼ"の隅々まで水を行き渡らせ、また、不要になったら出すことができるでしょうか?

それはなかなか難しいことです。最初の2~3枚は水が入ったとしても、傾斜がない場所で、10枚の隅々に等しく同じ量の水を入れることは難しいですし、水を抜くときも、平らな場所では水は流れていきません。

しかし、机の片側が高くなって、斜めになっていたら簡単だと思いませんか?水を入れるのも出すのもいとも簡単です。

人類の稲作は基本的にこうした地形から始まります。

傾斜が緩やかにあって、水も流れている場所。それは山の裾野です。

それ以外の場所を考えてみましょう。
山の中腹だとそもそも山であるために木を切り倒して田んぼを作るのは大変なことです。また、傾斜がきついために水の流れも速く、栄養も流れ落ちて少なく、水を溜める治水機能も少なくなります。

山から下に出てしまうと平野になります。ちなみに、平野というのは、1万年前に氷河期が終わって、山から水が流れるなかで徐々に形成されていった土地のことです。山は傾斜がありますが、山の出口は平坦です。山の土や栄養を含んだ水は緩やかに扇状に広がって平野を形成します。扇状地(せんじょうち)や三角州という言葉を学校の社会の授業で聞いたことがありますね。三角州は川から海に流れる最後の部分に作られる平野のことです。

さて話は戻って、その山の裾野とは、つまり谷津田のことです。山の沢は当然ですが周りより土地が低い場所を流れます。それは尾根筋と尾根筋の間の「谷」になった部分です。「津」というのは、物資が集まる港や、そこにできる集落などを表し、「谷津田」とは、谷間にある、ものが集まる田というような意味かもしれません。他にも、「谷戸田」や「谷地田」などという呼び方もあります。

稲作は最初、このような場所で始まり、江戸時代以降に灌漑技術が向上するにつれて、平地での農業が盛んになっていきます。やがて平地でも農地が足りなかったり、そもそも平地が少ない土地では、山の中腹で農業をすることになります。中山間地域とよばれるこのような場所は、日本の面積の70%を占め、農業生産高の40%を占めているものの、現在では高齢化による後継者不足が農政にとっての課題になっています。そのような山間部の傾斜のきつい土地で、山の形に沿った小さい田んぼを何枚も何枚も、時には1000枚も作るような場所を"棚田"と呼んでいます。

一方の谷津田も、平地での農業が盛んになるにつれて、耕作が放棄されるようになっています。谷津田は山の入り口部に位置した湿地であるため、絶滅危惧種が多数いることや豊かな生態系が残されているために、里山の保全などの活動も近年活発になってきています。山の自然そのままの地形を生かした自然観察公園なども作られています。


谷津田と棚田の違いを簡単に言うと、谷津田は谷なので周りが山や林に囲まれているのに対し、棚田は山の中腹を切り開いているために見晴らしが良い場所になっています。この二つの違いは写真で見るとすぐに理解できるでしょう。また、谷津田は生態系や自然環境の豊かさが魅力なのに対し、棚田はその風景自体が魅力と言えます。


やつだ開拓団の"やつだ"の説明をしてきましたが大まかに納得いただけたでしょうか?

その上で、第二期のテーマ「美しい谷津田の風景を復活させる」ということですが、これはもはや千枚田のような風景のことでないのはお分かりいただけると思います。田んぼ自体が小さく段々になっている点は似ているかもしれませんが、田んぼを含めた周辺の環境全体を手入れすることで現れる風景のことです。そこは小さな動植物がたくさん棲まう場所であり、蛍や星が一面に広がる場所であり、風が稲や森と共に歌う場所であり、そのような、人の手が加わることで自然が少し姿を変えて私たちの目の前に現れる美しい風景のことです。


さて、長くなりましたが、そんな第二期が始まりましたので、レポートします。

鈴木さんが造成している道を通っていきます。
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これまで直線で降りていた道を、傾斜が緩くなるように斜め斜めに降りられるように道を作っています。
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今回のミッションは2つ。①昨年作った水路の復活、②田んぼの畦を作る。

そこで、ともかく水路に詰まった砂を掘りまくりました。

掘って
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掘って
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掘って
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掘って
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堀りまくる
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扇状地の話を書きましたが、流れている水を見ると透明に見えますが、小さな砂が少しずつ上から下に流れ落ちて、1年も経つと、入り口を塞いでしまうほど堆積します。そりゃ関東平野もできるわな、といった実感が得られました。

これが取水口のパイプですが、このパイプの上にも中にも砂が詰まって水が流れなくなっていたので、
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それを男手で持ち上げて、中の砂をかきだしました。細いパイプに見えて、男手4・5人が必死になってようやく持ち上がりました。
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休憩では、竹を燃して焼いたホットケーキ。ハチミツや手作りジャムを乗せて美味しくいただきました。力仕事の後に温かいおやつとお茶が染み入りました。
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水路が復活したので、2日目は田んぼにたまった砂や崩れた畦の溝を直す作業。
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万能(まんのう)やスコップで溝を掘って、水が逃げるようにします。
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砂を掘って
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溝を掘って、
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いろんな人がいろんな場所でいろんな作業をやっています、の図。
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なんだか昨日と同じことをやっていますね(笑)
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眠っていた蛙を起こしてしまいました。
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お昼は開拓地でランチ。おにぎりは、ワカメと梅オカカの2種。
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パンは近ちゃんが差し入れてくれた宇都宮の食パンと、かわちゃんお手製のパンと、卵マヨソースと、山芋と卵を混ぜて焼いた、非常に美味しかったサムシング何か、でした。
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天気の良い日に、体を動かして、外で食べるご飯は格別に美味しいです。
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当然、その後昼寝と相成って、もう一分張りして終了しました。
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開拓地では日差しを浴びて、母子草が芽を出していました。もう春はすぐそこですね。
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開拓地では、今後

4月9-10日でお米の種まきをします。
今回は、苗代を作るための前作業、ということでした。

4月に種まきをして、
5月末(28-29)に田植えをして、
6月25-26日に除草、
7月23-24日に草刈り、
8月27-28日に猪避け柵の設置、
そして、うまくいけば10月22-23日に稲刈り、というスケジュールで活動します。

興味がある方は、どの会からでも参加可能ですので、ぜひ一緒に開拓活動しましょう!
http://yasatofarm.exblog.jp/25340904/
↑募集要項はこちらからご覧ください。


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by kurashilabo | 2016-03-03 08:33 | やつだ開拓団