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ふみきコラム0820

扱ったことがないので牛のことは全く知らない。しかし今日は(19日)の新聞を読んでいて驚いた。
福島で肉用牛の出荷が例のセシウム問題で停止されているのは知っていたが、1ヶ月程度出荷がのびただけで、発作を起こしたり突然死する牛がでているというのである。
「肉の赤身にサシ(脂肪)入れるために、出荷時期をにらみながら、エサに含まれるビタミンを減らし、極限まで太らせてきたため」だという。
肉になるのは若い牛で、一生のうちで最もピチピチしている時だ。それが自分の足で立てなくなり、あえいで死んでいくのである。これはどう考えても異常である。内臓を鍛えることも、体を鍛えることもせず、ビタミン剤や(おそらく抗生物質や生長促進のナンヤラや)高カロリー高タンパクのエサを強制給餌させて太るだけ太らせたブロイラー牛。これが高級和牛である。

ボクは本当に牛がかわいそうだと思う。新聞には「あえぐ牛農家」とあるが、あえいでいるのは牛である。「手塩にかけた末衰弱死」とあるがこれは虐待死である。新聞はその異常さに全く触れない。無感覚、あるいは無知なのか、知っていて農家批判はタブーだと思っているのか、どちらにせよ情けない。
ボクはこのような牛農家には全く同情しない。牛を大事にするなら大事に飼えばいいのである。大事に飼うということがどういうことかわからないならやめた方がいいのだ。食べる方も食べる方でどうかしている。セシウムはむろんとんでもないことである。
しかし、現実のリスクについていえば、このような牛を恒常的に食べる方がよほどリスクが高い。これは明らかなことである。そんな当たり前のことを誰も言わない。

鈴木
by kurashilabo | 2011-08-20 08:19 | 鈴木ふみきのコラム