2011年 07月 02日
豚舎から
なんと汚い豚舎だ!(犬や猫が普通にいるなんて!)直ちに消毒槽を設置し、殺虫剤を散布し蝿を抑制しなさい!それから殺鼠剤もまきなさい!
……彼らの理想の豚舎とはスノコ式(スノコ部分から糞を落下させ、落下した糞をスクレーパーでかき出す)ウインドレスでオールイン・オールアウト。すべての豚を出荷し(オールアウト)したら、高圧洗浄機で洗い流し、最後に薬剤消毒をする。オガ粉といった敷き材にも菌が付いているから入れない。菌を豚舎に入れない、消毒して菌を殺すという考えだ。工業畜産(animal industry)の最終形態といったところでしょうか。
豚だけの事を考えればそれも良いのだが、この世には多種多様な生き物がいるわけで、そして個々が同等の権利があるならば、やはり豚中心で考えるのはマズイのではなかろうか。豚飼いが敷き材を使わなくなったら、オガ粉といった炭素循環が途切れてしまい、燃やして処理すれば二酸化炭素を増やしてしまう。だから共存共生という道を考えたい。病気を持ち込むからと、畜舎から猫を追放したためにネズミが増え、今度はネズミを退治するために殺鼠剤をまき、殺鼠剤によって家畜の具合が悪くなったり畜産公害に拍車をかける。エコシステム(生態系)の中では、人間の考えることは非常に浅はかだ。
エコシステムの中では無駄という概念がない。エコシステムの複雑な関係に気づいたチャールズ・ダーウィンが、猫がいなくなるとアカツメクサ(クローバー)が激減すると言ったそうだ。猫がいなければネズミが増殖し、ネズミがマルハナバチの巣を襲い、マルハナバチがいなければアカツメクサは受粉できないという流れ。さて、やさと農場の豚舎には野良猫が住みついている。ブルさんが名前をつけたらしいのだが、ミーニャと呼んでいる。彼女(性別は確認していないが、ネムとたまに喧嘩しているので女の子だと思っている)のおかげか、ネズミが飼料袋をやぶる被害が減った。よしよし。
小松