<   2017年 02月 ( 15 )   > この月の画像一覧

暮らしの実験室 2017年イベント一覧

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農的なことをしてみたい、日帰りで気軽に楽しみたい、という方にはこちら!

オープンファーム・デー
畑、開拓地、タケノコ掘り、染め物、ピザ、ラーメン、ライブ。
農場の魅力を余すとこなく体験できる3日間 
5/2(火), 5/3(水祝), 5/4(木祝)


収穫祭
一年の収穫のお祝いと大地への感謝を込めて。
ランチパーティー、餅つき、収穫体験など。
11/5(日)


田植え・稲刈り
30年以上放棄された田んぼは手ごわさもやりがいもハンパない!
5/20-21, 9/30-10/1(共に土日)



やっぱり農場!出来たお野菜をトコトン食べたい、という方はこちら!

食べる農体験
農場の畑で旬のお野菜を取り、どうやって美味しく食べるか考えて、みんなで作っていただきます。
春3/4-5, 夏6/3-4, 秋9/2-3, 冬11/18-19(全土日)


ラーメンイベント
日本のソウルフードといっても過言ではないラーメン。
農場の豚、鶏、小麦、野菜を使ってゼロからラーメンを作ってみよう。
6/24-25(土日)


蕎麦イベント
農場で育てている蕎麦を使って蕎麦打ち勉強会。
蕎麦打ち初心者の方もみんなでワイワイ蕎麦打ちします。
12月予定(土日)


居酒屋ブレーメン
泥棒を追い出した家に集う音楽隊のように、美味しいものをたらふく食べて、飲んで、歌って…。
冬の農場を堪能したい方はご来店ください。
12/23-24(土日)



染め物、モノづくり、開拓。暮らしそのものを作り出す力を身につける講座!

開拓村の作り方
風景の読み取り方から、小屋作り、食べ物の調達まで、耕作放棄地開拓に必要な能力を身に着けます。
①4/15-16(土日), ②5/27-28(土日), ③10/7(土)-9(月祝), ④1/6(土)-8(月祝)


染めものワークショップ
季節ごとに自然の色を布に染める。
今年は染める+自然の恵みを体や心に取り込む、に挑戦します。
4/22-23ヨモギ、6/10-11ベンガラ、10/14-1510/21-22柚子&栗(全土日) 


草から糸をつむぐワークショップ
植物の繊維から糸を作り、染めます。
人類が有史以前から行ってきた技術を体験します。
4/8-9(土日)


木工ワークショップ
じっくり木に触れ、向き合い、形を生み出していく楽しみ。
自分だけのオリジナルカトラリーを作れます。
7月開催予定(土日)


その他
農場体験、団体での農場利用も受け付けています。
ぜひご利用ください。

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みなさんとお会いできるのを楽しみにしています。





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by kurashilabo | 2017-02-27 14:37 | お知らせ(告知) | Comments(0)

食べる農体験 はる・なつ・あき・ふゆ

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やさと農場には鶏や豚がいて、畑があって、大きめのキッチンとテーブルがあります。

鶏や豚が作る肥料を畑にまいて野菜を育て、その野菜は人間が食べ、野菜の外葉や畑ですくすく育った雑草も動物が食べます。そんなやさと農場を、畑とキッチンを中心に体験してみませんか。

畑で野菜を収穫し、その時に食べたくなった調理法で食べてみましょう。
鶏が食べている餌や草を見て、その卵を食べましょう。
普段農場から出荷している『野菜セット』を自分達の手で作り、持ち帰りましょう。

毎日している“食べる”ということを、じっくりワイワイ楽しみましょう。


【日程】
はる:3月4-5日   なつ:6月3-4日
あき:9月2-3日   ふゆ:11月18-19日

【基本タイムライン】予定
1日目
11:30 受付
12:30 昼食
13:30 農場案内
    野菜収穫
    調理開始(夜ご飯づくり)
18:30 夕食

2日目(季節により変動あり)
7:00 採卵・卵磨き
8:00 朝食
9:00 野菜セット作り
   (箱の組み立て~収穫~梱包まで)
12:30 昼食後、解散
    
▼参加費(各回)
定期野菜購入者(会員)7,100円(宿泊、食事代、野菜セット代)
一般大人 8,600円(宿泊、食事代、野菜セット代)  
一般子ども(4歳~) 4,500円(セットなし)

※家族で大人が2名の場合、2人目(セットなし)は6,000円、会員5,000円
※日帰り参加(食事、野菜セット付)6,100円 会員5,600円
※サイズアップ希望者、配送希望の方は料金が追加されます。

▼宿泊定員  15名
※日帰り参加は15名超えても可能です。

▼申し込みフォーム 
※参加ボタンだけでは申込完了になりません。フォームからの申し込みをよろしくお願いいたします。

フォームがうまく作動しない場合は、kurashilabo@gmail.com
にメールにてご連絡ください。

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by kurashilabo | 2017-02-27 13:58 | お知らせ(告知) | Comments(0)

染めものワークショップ・春 ~染めて・食べてたのしむ「よもぎ」~

暮らしの実験室染めもの部2017

季節ごとに自然の色を布に染める―
そんなことをテーマにスタートした染めもの部の2年目は
染めるだけではなく、自然の恵みを体や心に取り込む+1に挑戦します。

まずは第一弾!

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
染めものワークショップ・春
~染めて・食べてたのしむ「よもぎ」~
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

1)ワークショップ概要
親しみやすく身近な野草・よもぎ。「病を艾(止)める」 という意味から、漢方名では艾葉(ガイヨウ)と呼ばれ、万能薬として重宝されてきました。うららかな春の陽気の中で、染めて・食べて、よもぎをたのしむ2日間にしたいと思います。

日程 2017年4月22-23日

場所:暮らしの実験室やさと農場
    (茨城県石岡市柿岡1297-1)

定員:15名
※定員になり次第締め切ります。

参加費:8,000円(宿泊利用、食事代、WS代金含む)
 ※日帰り 6,000円 (ヨモギ染めは日曜日のみ)
 ※通いの人は 7,000円(食事回数2回として)
 ※暮らしの実験室会員は会員割引あります 
 ※子ども料金もあります。お問合せください。


2)当日タイムライン
【1日目】
 11:00 受付開始
 11:15 オリエンテーション/農場見学
 12:30 お昼ご飯
 13:30 開拓地へ移動
 14:00 よもぎ摘み
 15:00 団子づくり
 16:30 撤収
 17:00 ヨモギを使ったお料理作り
 19:00 夕飯
 20:00 (※希望者:よもぎ美容グッズづくり)

【2日目】
 08:00 朝ごはん
 09:00 ヨモギ染め開始
 12:30 染め終了→お昼ご飯
 13:30 里山散策
 15:00 終了・解散


3)申込方法
以下のフォームからお申込みください。
https://goo.gl/forms/ppqBPtd88bLnPqcx1


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<今後の予定>

6月10-11日
染めものワークショップ・夏
~大地を感じる、大地で染める、ベンガラ染体験~
参加費:12,000円(予定) 講師:冨田貴史さん

10月21-22日
染めものワークショップ・秋
~豊かな暮らしを彩る、柚子づくしの2日間~
参加費:8,000円(予定)

【企画の詳細が未定なので、参加費も予定となっています。
 詳細は確定し次第、新規イベントページでお知らせします。】

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@暮らしの実験室染めもの部とは・・・

有志3人で始めた草木染の活動チームです。
昨年は年間通して季節の草木を染めたり、染料植物を育てて染めるなど
部活動を通して仲間ができたり、ネットワークも広がりました。
今年もまた新たに染めの体験を深める予定です。

FBページ https://www.facebook.com/somelabo/
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by kurashilabo | 2017-02-27 11:21 | お知らせ(告知) | Comments(0)

ふみきコラム20170225

 昨日会員で地元在住のS氏がひと抱えのイノシシ肉を持ってきてくれた。彼は狩猟免許をもっていて、ハンター仲間が「くくりワナ」で捕まえたイノシシの解体を手伝い、返礼にいただいたのだそうだ。20kgくらいあるのではないか、大量である。「ウリボウではないが、1年未満の若いイノシシ」だという。農場は今、豚が少なく、出荷すると農場自給分が少ししか残らない。それでこれは嬉しいプレゼントである。野生獣特有の赤く、脂肪の少ない肉だ。試食してみると若いということもあるのだろうが、とても軟らかく、ケモノ臭さも無く大変おいしい。以前にも何度かいただいたが、どれも臭みもなく軟らかい。これには少々驚いている。

 「豚部は止めて狩猟部にしたらどうか」と本気で考えてみた。現在の肉の必要量は月に1頭か2頭、肉量で50kg程度であるからイノシシはやや小さいことを考慮しても月に2頭仕留めれば足りる。(ラードはごく少ないから小さくても肉はそれなりにとれるはず)これは全く可能である。日々のルーティンワークもなくなるし、エサ代、その他経費(年間35万円)もかからない、肉質も農場の黒豚に勝るとも劣らない。(但し野生獣は年によって脂のノリや味に波があるという)処理施設もあるし、いいことずくめではないか。

 猟期が11月から3月15日までというのがネックになるが、「害獣駆除の要請が出て一年中獲っているような状況」もあるという。狩猟免許も「ワナ猟」であればそれほど難しくはないようだ。(大きい声では言えないが農場スタッフのカワちゃんは罠猟免許を持っている。何のために取ったのかは知らない。ちなみに銃の方はとるのも難しいし、管理が大変厳しいようである。)
 イノシシや鹿がここ2~30年で急速に増えていることは先回触れたとおり。それは「狩猟で肉を得る」ことが現実的課題になったということでもある。趣味のキジ猟を別にすれば狩猟などひと昔前までは縄文時代の生業か、東北で「マタギ」と呼ばれるごく少ない伝統的猟師のものだった。それが普通の「里」でも可能になっている。仮にイノシシが現在100万頭位として、生態を上手にコントロールすれば毎年20万頭位は獲ってもいけるだろう。(豚は1千万頭くらい飼われているからそれに比べれば微々たる数だが)

 ここまでは理屈である。肉はありがたいしおいしいが、一方でボクはイノシシが憐れだなという気持ちを抱え込んでいる。ワナは卑怯ではないか。とりわけ「くくりワナ」はケモノ道に仕掛けるもので(昔のトラバサミのように)痛い。またそれで死ぬ訳ではないので、痛さと恐怖で暴れるイノシシを撲るか刺すかして殺すわけである。その恨みのこもった肉だと思うと喉の通りが悪くなる。では豚を屠場で殺すのはいいのかと問うと、これも本当は根深い疑問がある。しかしそれとはまた違う罪の意識のようなもの。

 数日前「開拓地」の近くで犬の散歩をしていたら山際の道のわきの木の枝先に白い札のようなものがぶら下がっているのに気付いた。木の名前でも書いてあるのかと手に取ると「狩猟〇〇〇〇(人名と住所)、番号」などが記されていた。そうかここに罠が仕掛けてあるということか、とイヤな気分になった。(S氏に確かめるとやはりそうだった)こんな近くにあったのか、と正直胸をなで下ろした。少し前まで開拓地では「シロ」を自由に遊ばせていたのである。姿が見えなくなると交通事故もさることながらワナにかかったらどうしようと常に不安だったのだ。開拓している畑の片隅にワナ用と思われる張られたワイヤーが残っていたこともある(使われていないようだった)。
 かように狩猟については「やれるし、おもしろいし、やったらいい」という合理的な意見と「いやだな、オレはやりたくない」というより身体的な気分が水と油のようにボクの中にはある。S氏には申し訳ないが、「開拓地では狩猟はやらない、専守防衛でいく」と公言している。トシをとってただ単に殺生がいやになっているだけかもしれないが。 S
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by kurashilabo | 2017-02-26 15:12 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

2017年2月24日(金)出荷 野菜セットのなかみ

■今週の新顔野菜はハウス栽培のサントウサイです。色濃く力強い路地モノ(今週のホウレン草など)と比べると柔らかく癖のない春の味です。

■凍結した状態で野菜を収穫すると損傷して傷んでしまうので、葉物類は出荷日前日(木曜)午後に凍結の緩んだタイミングで収穫しています。ご了承ください。

【里芋】  ファミリー 500ℊ / レギュラー 350ℊ
品種は「土垂(ドダレ)」、関東で最も一般的な里芋です。

【人参】  ファミリー 3本 / レギュラー 2本
近隣の提携有機農家高橋さんからの出荷です。

【大根】  ファミリー 1本 / レギュラー 半本あるいは小1本
秋の虫害で出来はいまいち。小ぶりなものが多くなっています。

【ゴボウ】  ファミリー 約400g / レギュラー 約250g
近隣の提携有機農家高橋さんからの出荷です。

【ヤーコン】  ファミリーのみ 2・3本
サツマイモのような形の芋がヤーコンです。甘さ控えめな梨のような食感で生食も可能です。生でサラダ、炒めてキンピラなどにお使いください。近隣の提携農家高橋さんからの出荷です。

【ネギ】  ファミリー 450ℊ / レギュラー 300g
品種「坊主知らず」。


【キャベツ】  ファミリー 1玉 / レギュラー 半玉
品種「彩ひかり」。

【山東菜】  ファミリー 120g / レギュラー 80g
ヒダのある淡い緑色の葉が特徴のサントウサイ、ベカ菜あるいは非結球ハクサイなどと呼ばれるアブラナ科の葉物です。非結球ハクサイの名の通り、白菜の葉の感覚でお使いください。癖が無く柔らかいのでどんな料理にでも合います。生食可。

【小松菜】  ファミリー 180g / レギュラー 90g
品種「なかまち」。今回からハウスものです。淡い緑色で、柔らかく癖がないので生食もお勧めです。

【葉大根】  ファミリー 200ℊ / レギュラー 120g
ハウスで葉物用に育てた葉大根です。葉から根まで丸ごと頂けます。葉物としてお浸しや汁モノに。

【ホウレンソウ】  ファミリー/レギュラーともに 50g
ちぢみホウレンソウ、品種「朝霧」。寒さにあたって葉がちぢみ肉厚です。路地のホウレン草は今回で最後です。

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by kurashilabo | 2017-02-24 15:38 |  L 今週の中身 | Comments(0)

講座「開拓村の作り方」とマイ小屋づくりへのお誘い

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 私たちは今、筑波山の直下、石岡市小幡十三塚集落の近傍で耕作放棄された谷津田の「再開拓」に取り組んでいます。山あいの、一枚が一畝とか三畝という狭い田が百数十枚階段状に連なった谷津田です。全部で3haほどの面積があり、40年ほど前までは周囲の里山共々隅々まで耕作され利用されていました。しかし1970年に始まった減反政策以後、全国の中小の谷津田同様耕作放棄が進み、20年ほど前からはほとんど耕作されなくなり、かつての道や水路や畔は消え、葦やイバラが密生し、あるいはシノ竹の密林となってそこに葛や山藤がからまるという人を拒絶する原野になってしまいました。夜ともなればイノシシの天下となり、至るところケモノ道が走り、土が掘り返されている状態です。

 3年前、そこに立った時の第一印象は「こんないい所をどうして放棄してしまうのだろう。」というものでした。まわりは山で静かだし、上流に人家が無いので水もきれいで、脇には筑波山からの沢(長峰沢)が流れています。(最初は沢に近づくこともできず、沢音だけでしたが)。「ここは手を入れれば素敵な場所になる」と確信し「やつだ開拓団」というイベントを組み、開拓を始めました。ノイバラに悩まされながら葦を刈り払い、シノ竹を切り倒し、道や水路や畔を再建し、田の水平を直し、昨年(2016年)はじめて1.5反ほど作付けし、猪を防ぎながら300㎏ほどの米を得ました。残念ながら昨年はイモチ病が多発し、収量も味も不満足なものでしたが、この谷津田での久しぶりのお米です。

 米作りとしてみれば、このような田はあまりに生産効率が悪く、早々と耕作放棄されたのも頷けます。しかし農業生産という見地を離れて21世紀の基本課題である「自然と共生する暮らし」という観点でこの谷津田を見直すと潜在的可能性にあふれた実におもしろい場所であることがわかります。きれいな水も田も畑もあり、周囲の里山には様々な木や竹があり、景色もいい。生活の基本素材は何でもあるのです。この場所のもつ可能性を形にしてみたい。それができればここは私たちのフロンティアになるのではないか、そんな気持ちです。言ってよければワンダーランド、「オモシロソー」ということです。
 しかし「オモシロソー」だけでは人々を開拓にお誘いすることはできないのでそこを以下のような「コトバ」にし、講座「開拓村の作り方」というカリキュラムを組んでみました。

 講座は年4回開催し、それに加えて、「マイ小屋作り」を提案しています。筑波山麓の里山と谷津田を舞台に様々な角度から田舎の見方、遊び方を提案していきたいと思います。


自然とつながる身体技法を身につける、内なる野性を取り戻す

 開拓は人間の最もベーシックな「生きる力」を必要とし、また鍛えてくれます。遠い昔、人が遊動生活を止めて定住を始めた時、まずしなければならなかったのが開拓です。木を伐り小屋を建て、火を起こす。道を造り、井戸を掘り、水路をうがつ。土を耕し種を播き、動物を飼い慣らす。草や木や鳥や小さな虫を見分けて名付けてみる・・・。このようにしてそこに出現する開拓空間から人間の文明化はスタートしたのです。

 開拓はヒトが人間になるという行為そのものでしたが、同時に自然界の異端児として立ち上がるということでもありました。良くも悪しくもそこには人間とは何か、自然との対立と和解というテーマが最もプリミティブな形で開示されています。

 しかし開拓時代はすでに遠くに去り、現代人は都市空間に生きています。そこでは野性の身体技法は必要とされません。そこは便利で快適かもしれませんが心身はやせ細っていくばかりです。現代を生きる人にとって開拓は自然とつながる身体技法を身につけ、かつまた内なる野性を刺激し身体の自然力を取り戻す訓練になるでしょう。半野生を生きていた子供時代に戻ること、それがオモシロクない訳がありません。最高のアソビであり自己教育になるのです。

昭和前期の暮らしをしてみる

 私たちは「開拓地」でひとつの「暮らしの実験」を行います。自給的な暮らしです。自給とはとの土地の産みだすもので生活するということです。米や野菜、味噌といった食べ物(を手に入れる)だけでなく、日常の煮炊きや暖房のエネルギー(炭や薪)、小屋を建てる材料、食品残渣や糞尿の利用等々です。
 しかし「その土地の生み出す資源で暮らす」これは実は1950年代、昭和30年頃までは田舎の普通の暮らしでした。そのような意味でこれは昭和前期の暮らしの再現と言ってもいいと思います。
むろんすでに市場経済に組み込まれ、文明の利器は沢山入っていましたが、その頃までは自給経済圏ともいうべきものがまだ生きていました。アメリカのアーミッシュは厳格に近代以前を生きていますがここでは昭和前期がテーマです。

 1960年代以後、私たちの日常は激変しました。生活の何もかもが近代化され、「お金」さえあれば便利で快適な生活ができるようになりました。「大地から離陸し自由を得た」と言ってもいいでしょう。田舎に行ったところで兎追いしかの山や、小鮒釣りしかの川などどこにもなく、そんな子どももいません。しかし現代ではそうして得た自由が必ずしも人々に幸福をもたらさなかったことに多くの人が気付いています。心も体もむしろ貧しくなってしまったという気分です。昭和30年代の暮らしが郷愁と共に呼び出されるゆえんです。
 暮らしの実験としてであれ、昭和前期の暮らしの再現は現代をどう生きるかについての多くの実践的示唆を私たちに与えてくれるでしょう。

谷津田の風景を復元する

 私たちの開拓は里山と谷津田を舞台にして行われます。現在では立ち入る人もなく草木の繁るにまかされている「ヤマ」や谷津田はかつては生活資源の大半を生み出す暮らしの土台でした。また歴史的にみても谷津田は広大な沖積平野の田に先行する古い歴史を有しています。それは「常陸国風土記」の「夜刀(ヤト)の神」の話にある通りです。

 谷津田には単なる郷愁を越えて列島に暮す人々の「原風景」として人を引きつける何かがあります。その美的な谷津田の景観を復元してみたい。幸いにして私たちの「開拓地」は山や竹林や沢に囲まれ手を入れれば美しい場所になると思います。風景のもたらす教育力、治癒力、そういうものがあるのではないでしょうか。

二拠点生活の勧め

 私たちはこうした活動を都市民とともに進めたいと考えています。都市部に普通に生活する人にとって耕作放棄された谷津田や「開拓」など頭の片隅にものぼることはないでしょう。ましてその最もマイナーな場所がおもしろい可能性を秘めていることなど思いも及ばないはずです。私たちはこの「磨けば光る」ワンダーランドへ彼らを案内したい。開拓の楽しみをできるだけ多くの人と共有したいと考えています。

 必ずしも「田園回帰」する必要はありません。それもひとつの選択肢ではありますが、ここではむしろ2拠点生活、複眼的スタイルこそを勧めたい。都市民でありつつ田舎の人、あるいは田舎の人でありつつ都市民という選択です。そのようなスタイルにこそ新たな感性と思考は孕まれるのではないかと考えます。私たちの開拓地はその「田舎の拠点」として開放されていくことになるでしょう。
また土地を快く提供してくれている地主さんや地域の人たちにも開放したい。彼らにとっても昔懐かしい風景は憩いの場所というだけではなく地域の再発見となるはずであり、新しい人を呼び込む「観光資源」にもなるでしょう。

 このようにして人と自然の織りなす「里山と谷津田」を舞台に「時々開拓民」、常駐スタッフ、先住民のゆるやかなコミュニティができれば、それは人生のセーフティネットというだけでなく、私たちの懐かしい未来、新しいふる里となっていくことでしょう。

人類史の身体的復習として

世界は混迷を極めています。中世的問題、19世紀ないし20世紀的問題、21世紀的問題がからまりあいつつ同時多発しています。政治の荒波が私たちの足許をさらっていくのではないかという不安。しかしそれはそれ、私たちは目の前の小さな「人類史的課題」を着実に進めるしかありません。飛躍を承知で一言でいえば、私たちの開拓は人類史の、はたまた日本史の身体的復習です。

「講座・開拓村の作り方」へようこそ。
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筑波山直下、石岡市小幡十三塚集落の近傍にある谷津田。四十数年前、耕作放棄地となったこの場所に、ふたたび暮らしのいのちを吹き込む。この挑戦はまさに開拓そのもの。

根っこから暮らしを考え体感する 年4回の“開拓”講座

■講座概要
(各月の講座内容は天候や諸事情で変更される場合もあります)

4月 
15(土)オリエンテーション、開拓地案内、シノ竹刈払い作業 等
16(日)ヒノキの間伐と運び出し、皮むきなど、小屋建築の候補地見学

5月
27(土)開拓地の谷津田見て歩き(動植物、生態系)、田んぼキャンプ
28(日)筑波山遊覧(筑波山の自然、ブナ林見学、修験の遺構 等) 

10月
7(土)山歩き、林業体験、これからの山の利用、ディスカッション
8(日)製材所見学、自力建築の御宅訪問、夜:やさと農場の建築思想
9(祝日)ジオパーク十三塚(周辺の地質学的歴史的散策)

1月
6(土)畜産の現場見学、夜:屠畜や食に関する映画鑑賞
7(日)狩猟・解体見学(予定)、夜:対話
8(祝日)鶏のトサツ・解体体験

<募集要項>
・集合時間 土曜日の11時集合、最終日は16時解散(予定)
・募集人員 10名(最小催行人数4名)
・参加料 4月、5月 各回15,000円
     10月、1月 各回25,000円 
※参加料に宿泊費、食費、講座代、保険代が含まれています。
※講座中のケガなどについては、保険の範囲内での対応とさせていただきます。
※通年での申し込み(80,000円)者には、下記の「小屋作り」の年間利用料60,000円が免除されます。


■開拓指導
鈴木文樹(開拓者/当農場スタッフ)
茨木泰貴(鶏トサツ指導/当農場スタッフ

■外部講師 ※名前順
清水雅宏氏(つくばね森林組合)
永田まさゆき氏(アトリエ・オン/やさと農場設計)
矢野徳也氏(筑波山ジオガイド)
※他にも数名予定しています。決まり次第お知らせします。


■申し込み方法
1)以下のフォームから、必要事項を記入して送信してください。2~3日以内に事務局から確認メールをお送りします。メールが届かない場合はkurashilabo@gmail.com にお問合せください。

http://bit.ly/kaitaku

2)以下の口座に参加費をお振込みいただいたら申し込み完了です。
【振込先】
ゆうちょ銀行口座間 00390-0-17509 クラシノジッケンシツ ヤサトノウジョウ
銀行から振込 039(ゼロサンキュウ)店 当座 0017509 同上

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■これまでの歩み
開拓団2016の活動レポートはこちら
 http://yasatofarm.exblog.jp/i30/
十三塚の開拓地の2015年の様子はこちらで見ることができます。
 http://kaitakudan.strikingly.com/
 

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■「小屋作り」のススメ

手近にある素材で作られた「巣」、私たちの開拓地でいえば間伐材や枝葉、竹、シノ、石などで作る「穴ぐら」、身を横たえ安心して眠ることができる場所。それが小屋。床をつけ、窓を作り、空間を押し広げてテーブルやイスを置けば少し住宅に近づく。大事なことは自分の頭と手を使いそこに自分の空間を切り出すということ。小屋は日常に隔された子どもの自分に帰る場所。週末はそのような小屋に憩い、田や畑を起こし、開拓を遊ぶという生活スタイルの提案。車の駐車場を持つように、山里に自分の小屋を持つことで拡がる暮らし。

開拓地に、自分用の小屋を作りませんか?

〇年間利用料 60,000円(開拓地の管理費に充当)
講座に通年で参加する人は、当年は利用料不要です。次年度以降は利用料が必要となります。

〇利用条件
基本的に自分(家族、仲間)で作ること
使わなくなったら原状回復すること

詳細はお問合せください。

mail kurashilabo@gmail.com
TEL 0299-43-6769(担当 鈴木)
※電話は昼の12時~13時半ごろがつながりやすいです
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by kurashilabo | 2017-02-23 17:46 | お知らせ(告知) | Comments(0)

手仕事ワークショップ2017 植物の繊維から糸を作る

衣・食・住― をまかなうすべてのモノは、自然から素材をいただき、人が手で加工してきた歴史があります。

稲わら、麦わら、葛、苧麻、麻、綿、様々な植物の繊維は乾燥と撚り、紡ぐ技術によって丈夫な糸や紐になります。そして、布になり、袋になり、農具や暮らしの道具、身を包む着物に加工されます。

そんな繊維文化の一つ、福島県昭和村の”からむし織”の担い手を迎えて、昔ながらの手仕事の一端を体験するワークショップを開催します。

■日程 2017年4月8~9日(1泊2日)
■場所 暮らしの実験室やさと農場
    (茨城県石岡市柿岡1297-1)

■定員 10名
※定員になり次第締め切ります

■参加費 9,000円(宿泊利用料、食事代、講師料、材料費込)
※通いの方は-1000円となります。
※土曜日のみの参加は可能です。参加費6,500円
※会員割引、子ども割引あります。詳細はお問合せください。

■集合・受付時間 8日(土)13時半

<タイムライン>
8日(土)
13:30 受付
13:45 オリエンテーション
14:00 昭和村のからむしのおはなし
14:30 からむしに触ってみよう
15:30 からむしを染めてみる
17:00 1日目終了
19:00 食事
     ※オプション アクセサリー作り   

9日(日)
09:00 受付
09:15 昨日のふりかえり
09:30 麻ひきの実演
10:30 糸車の実演
     ※オプション アクセサリー作り
12:30 昼食
13:30 農場見学(初来場者)

■ゲスト紹介
棚橋祐美さん(昭和村からむし織研修生/土浦出身)
2014年に福島県昭和村の織姫制度に応募して、1年間「織姫」として昭和村のからむし(苧麻)の栽培、糸作り、織りを学ぶ。その後、同村の研修生として、からむし織の技術を磨いています。

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※オプション
原麻や染めた糸でアクセサリーを作ってみよう。
料金:600円/(原麻追加すると+400円)

土曜日の夜の時間や、日曜日の午後の時間に希望者向けに開催します。
事前申し込み不要。当日講師にお声かけください。
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■申込方法
フォームからお申込みください。
https://goo.gl/forms/uJnMLkjkOusufZhG2

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by kurashilabo | 2017-02-22 10:11 | お知らせ(告知) | Comments(0)

ふみきコラム20170218

 「捕獲獣広域で焼却―手間減らし処理推進」という「日本農業新聞」(2月9日)の記事が気になった。「害獣」をハンターが捕獲してもジビエにまわるのは1割程度で、多くは埋却や焼却処分されることになる。しかしハンターも少なく高齢者が多いのでその処理が負担になっていたが、全国的に「害獣専用の焼却施設」が建設されていて(1億6000万円位とか)狩猟者から歓迎されているというものだ。

 1960年代以降人がヤマから引き(ヤマと言えば村では今日いうところの里山のことだ)、山沿いの田畑から引いていき、その空白域にイノシシや猿や鹿が進出してきていることは先回触れた。90年代に20万頭位だったイノシシは現在100万頭に、30万頭だった鹿は300万頭位になっているという。当然ながら全国的に農業被害が多発し、「害獣駆除」が地域の猟友会に依頼されることになる。「駆除」が主目的なので報奨金のようなものがでる(イノシシ1頭7千円位?)。食肉はオマケのようなものだが、処理施設が遠かったりして鮮度が維持できない、処理しても食肉としての利用者がいない等々の理由で多くは埋却したりゴミとして焼却することになる。(ジビエはまだ十分には産業化されていない) S

 このことは以前から聞いてはいたが、殺しては埋め、殺しては焼却するするというゴミのような扱いにどうしてもなじめないものがある。もったいないといえばもったいないし、かわいそうといえばかわいそう、冒とく的な何か。そこには人間の根本の倫理に抵触するものがあるのではないか。猿についていえば、食肉とする習慣がないので、一部が医学実験用に利用される他はこれも埋却ないし焼却処分される。捕獲しては殺し、焼却炉に放り込むシーンを想像してみてもらいたい。「害獣駆除」の実際はそのようなもので、新聞によればどこぞの焼却施設では年間5000頭の予定が利用者が多くて1万頭を処理しているのだという。これは「ではどうすればいいのか」という問いとはレベルの違う話しである。

 「害獣駆除」はそうまでして本当に必要なのであろうか。彼らは人を襲いに来ている訳ではない(接触してケガをする人はいるが殺された人はたぶんいない)。その罪は稲を食い倒したとか、カボチャを食われた等々の農業被害がほとんどだ。むろんそれはそれで問題だ。しかしその被害と駆除のナマナマしさがバランスしていない。

 「農業被害がある」といえば何をしても許されてしまう精神風土がある。農家から総スカンを食いそうだが、たかが農業被害ではないか、と言ってみたい。それにこれはもっと言ってはいけないことだがその農家の多くは農業で飯を食っている訳ではない。勤めていたり、年金収入があったりして被害にあっても食うには困らない。獣害がでるような地域での農業は特にそうである。田んぼの被害とて、(一部の専業稲作農家を除けば)稲作収入をアテにしている農家などほとんどいない。獣害で離農とはいってもそれはただのきっかけにすぎない。「農業被害何百億」などという報道は数字のマジックで現実は違う。

 そもそも野外でする農業には「被害」はつきものだ。天候不順であれ、病害であれ、虫害であれ。それに獣害が加わったということだ。むろんやっかいなことではあるがそういう時代に入ったということなのだろう。長い間、人間のエリアに暮していれば野生獣と接触することはほとんど無かった。それは田舎に人とエネルギーが満ちていたからだ。今また私たちはハクビシン、アライグマ、タヌキ、イノシシ、鹿、猿等々と頻繁に出会うようになった。野生獣に取り囲まれている。彼らとの出会い方をよく考えてみることは私たちの未来の質に関わる大事なことなのではなかろうか。 S
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by kurashilabo | 2017-02-19 11:06 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

2月18日(土)着の野菜セット

■梅も咲き始め、畑にも春の足音が。冬を越えた葉物はぞくぞくとトウが立って(※注)きました。これからは徐々に葉物が路地からハウスモノに切り替わっていきます。

■凍結した状態で野菜を収穫すると損傷して傷んでしまうので、葉物類は出荷日前日(木曜)午後に凍結の緩んだタイミングで収穫しています。ご了承ください。

■農場産の金ゴマを販売します。1パック50グラムで500円となります。連絡ください。
※注 「トウ立ち」とは花をつけるために茎(花芽)が伸びること。一般的にトウ立つと可食部が筋っぽくなり食用に向かなくなります。逆にトウ立った花芽を食用にするのがブロッコリーや菜花です。

【里芋】  ファミリー 600ℊ / レギュラー 400ℊ
品種は「土垂(ドダレ)」、関東で最も一般的な里芋です。

【人参】  ファミリー 3本 / レギュラー 2本
品種「はまべに五寸」。

【大根】  ファミリー 1本 / レギュラー 半本あるいは小1本
秋の虫害で出来はいまいち。小ぶりなものが多くなっています。

【ゴボウ】  ファミリー 約500g / レギュラー 約300g
近隣の提携有機農家高橋さんからの出荷です。

【キャベツ】  ファミリー 1玉 / レギュラー 半玉
品種「彩ひかり」。

【タアツァイ】  ファミリー 3株 / レギュラー 2株
皺のある葉が特徴の葉物が中華野菜のタアツァイです。味が濃く炒め物にお勧めです。一部トウ立ちつつありますが、まだ小さいので食用可能です。

【小松菜】  ファミリー 120ℊ / レギュラー 70ℊ
品種「なかまち」。今回からハウスものです。淡い緑色で、柔らかく癖がないので生食もお勧めです。

【葉大根】  ファミリー 80ℊ / レギュラー 50g
ハウスで葉物用に育てた葉大根です。葉物としてお浸しや汁モノに。

【ホウレンソウ】  ファミリー 110g / レギュラー 70g
ちぢみホウレンソウ、品種「朝霧」。寒さにあたって葉がちぢみ肉厚です。

【ネギ】  ファミリー 450ℊ / レギュラー 300g
品種「坊主知らず」。

【カブ】  ファミリーのみ 2・3個
品種「温海カブ」。











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by kurashilabo | 2017-02-17 18:56 |  L 今週の中身 | Comments(0)

ふみきコラム20170211

 正月に山梨の自宅に帰った折、30年近く前、ボクが桑を抜根し畑にしていた山間に行ってみた。山間とはいっても日当たりも良く、韮崎市街も眺望できる開けたところだ。今は連棟ハウスが建ち、露地ではブロッコリが何町歩も栽培されていた。株式会社なのだろう、何人もの「労働者」が畑仕事をしている。それは以前から知っていたが驚いたのはその畑が2メートルを越す柵(金網)で囲われ、その上端には2本の電柵が張り巡らされていたことだ。出入り口はゲートになっていて、一見収容所のようでさえある、猿対策なのだが、ここまでしなければだめなのかとびっくりした。自宅のある旧明野村(現北杜市)は10年程前までは猿はいなかった。山際の畑でサツマイモがイノシシに全部食われてしまったことはあるけれども。それが今では家の近くまで猿が出没するという。猿の惑星かと何やら笑ってしまう。

 幸い筑波山系には猿は今のところいない。もうひとつの「害獣」である鹿もいない。問題になるのはもっぱらイノシシだ。開拓地は筑波山直下なので夜ともなればイノシシの解放区となっている。米作りの期間の食害もやっかいだが、田が裸の今はミミズでも探しているのだろうか、畔を鼻で崩しまくっている。これも困る。

 獣害は全国的に深刻で山間地の人たちを悩ましている。高齢の農家が獣害を機に離農することも少なくないようである。そこで駆除が叫ばれることになる訳だが行政や地域をあげての駆除の合唱にボクは少々釈然としないものがある。そう仕向けてきたのはそもそも人の方ではないかと。イノシシの立場を弁護したい気分。

 1960年代、日本が経済の高度成長に入る以前は、農村人口は今よりずっと多く、年齢的にも若かった。繰り返し言っているように「近代化」以前の農村の生活や農業はその資源の多くを「山」に依存していたから多くの人が日々山に出入り、管理し、利用していた。その利用圧は今では考えられないほど高く、山は「人の地」でイノシシも猿も出る幕が無かったのだ。その後農村に「近代化」の波が及ぶと、たちまちに山は不要の地となり人は立ち入らなくなった。無用の長物となったのである。そしてかっての薪炭林やシバ山にはスギやヒノキが植えられた。一方、奥山では戦後の「拡大造林」政策で広葉樹は切られ、これまたスギ、ヒノキばかりになっていった。そのスギ、ヒノキも輸入材に押されて「二束三文にしかならない」ので間伐や枝打ちなど充分な管理が行われず半ば放置されたままになっているところが多い。

 山ばかりでなく、山沿いの畑や谷津田のような非効率な農地の耕作放棄もじわじわと拡大を続けている。今では山の利用の仕方を知り、山間地の田畑の管理を担ってきた人間そのものも、その多くが世を去った。1960年代以降、人は山から撤退し、山沿いの田畑からも撤退している。もはやそこは「人の地」ではない「荒野」なのである。荒野は今も広がり続けている。これが60年代以降の社会経済の大きな動向であり、「地方消滅」などと騒がれている現象もその延長線上のものだ。

  山であろうと田や畑であろうと人の地でなくなればただの地面にすぎず、無主の地となる。そこにイノシシや猿が進出してきてなんの不思議もない。それは耕作放棄すればすぐにシノタケや葛が進出してくるのと同じだ。イノシシや猿が進出しているのではなくて、人が引いていったのだ。加えて山は針葉樹林ばかりで暗く、食い物もなく、そこは彼らには何の魅力も無い。里に下ってくれば何かとうまい物にありつける。彼らも野草より野菜が、ドングリよりリンゴや柿の方がうまいことをよく知っている。

 要はその空白域を誰がどのように利用するのかということだ。その智恵が無ければどれだけ駆除しようと恒久的な対策にはならない。それもシノ竹や葛を刈っても畑として利用しなければすぐに戻ってしまうのと同じだ。ボクらはそこでイノシシやシノ竹、葛、竹を押しのけて再び人の地とすべく「開拓地あそび」をしているが、こんなことが一般化するはずもない。ただの点にすぎない。人はもうヤマが無くても生きていけるのだからヤマは「山」に返しシシ神様の地のままでいいような気もする。 S
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by kurashilabo | 2017-02-12 10:58 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)