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ふみきコラム20170128

 開拓作業の中で竹切りはまずまず楽しい作業である(孟宗竹、真竹)。バッサバッサと倒していくのは爽快でさえある。しかしその竹の処理をどうするかが頭を悩ますところだ。燃やしてしまえばいいが、生竹は燃えにくいし、節が卓上ガスボンベのように爆発するので気が気ではない。作業的にも大変時間がかかる。結局、今切っているのは山裾を切り落としたような崖状になっているところなので、野積みにして自然に分解していくのを待つことにした。竹を胸の高さ位で切り、その切り株を杭がわりに使って4分割くらいにした竹を水平に積んでいくのである。崖の中腹に万里の長城のように積み重ねていく。

 はじめはジャマモノの処理という頭だけで始めたのだが、水平に積み重ねていくと(量が多いので)そこにテラス状の平面ができるのに気が付いた。崖の中腹なので眺めもいいし、東向きだとはいえ午前中は日当たりもある。実に気持ちがいい。

 幸い今日は風も弱く(数日、強い風が吹いていた)、そこにゴロリと横たわり午前10時の日差しを浴びながら青空を眺めていると、ウトウトと至福の時間が訪れた。セカセカと働く人たちには申し訳ないような気分。丁度そこに程好いヒノキの木が2本並んでいたので、この木を利用して小屋掛けするのはどうかと思い立ち、あとは電光石火、昨日までは無用の空間だった崖が今日はボクの頭の中では「かくし砦の三悪人」(だったか『七人の侍』だったか)の山の砦となっていったのである。

 開拓がらみで今年から「田舎の遊び方」という年間講座を開くことにしている。その中で通年テーマとして小屋と米作りを扱う。小屋はおもしろい。子どもの頃、「押し入れ」の暗く狭いところに入り込んで何かホッと安らぐ気分を味わったり、友だちと例の「秘密基地」遊びに夢中になったりした経験は誰にもあるだろう。特に男の子は。キャンプやハイキングでのテントなどにも共通する感覚かもしれない。日頃ボクたちは皮膚を介して直接外界と接触していると考えている。しかし個々の身体のまわりに人はその人と共に動く気配のような層を持っているのではなかろうか。手足が動く範囲、臭いや熱が放射されている範囲よりも少し大きいくらいの。それがすっぽり納まるくらいの場所、それが小屋だ。

 子宮回帰の願望、安心感といってしまえばミもフタもないが、ま、そういうことだろう。まだ胎児だった頃、人は子宮の中で羊水に浮かんでいる。胎児にとって子宮は外でもあり内でもある中間的な場所だ。小屋のおもしろさの核心にもそれがある。小屋を大きくしていけば確かに住宅になる。だが小屋と住宅は別物だ。住宅には「生活」が詰まっている。あれやこれやの「物」と一緒に。小屋はもっとメンタルなるもの、自己の空間化なのだ。工務店に頼んだり、設計図を引いたり、大工さんやあれこれの業者が入ったりしたらそんなことはできない。住宅はむしろ自己を時代の社会性に合わせて形成するための容器なのである。

 いや、そんな講釈はどうでもよい。小屋づくりにはもっともっとたくさんのおもしろさとテーマがある。今では家庭菜園を楽しむ人は多いし、マイカーも普通だ。それと同じようにマイ小屋というのを皆もったらいいと思う。山のそこここに。土地はいくらでも捨てられているのだから。世界が変わってくるかもしれません。(土地は捨てられているとはいえ、勝手に小屋を建てると不法になります。是非、当開拓地を御利用ください。有料ですが。)

 トランプ氏はボクと同じ年齢で(?)就任演説を楽しみにしていた。同時代を生きてきた訳だし。こわいもの見たさで。とにかく世界は変わりそうだから。リアルタイムでは聞けなくて、新聞で読んだ。読んだが半分くらいでやめてしまった。おもしろくもなんともないのである。トランプさんもディールディールとばかり言っていないで山に入り無心に小屋づくりをすればいいと思う。そしたらもう少しモノ言いも変わってくるはずだ。彼が嫌いな(?)アジアではそのトシになったら山に入り竹林に遊ぶというのが賢者のとる道だといわれている。わからないだろうなぁ。 
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by kurashilabo | 2017-01-29 10:55 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

2017.1.28(土)着の野菜セット

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(写真はレギュラーセットです)

節分が近いので大豆を入れました。農場で種継ぎをしている地大豆「青御前」です。

凍結した状態で野菜を収穫すると損傷して傷んでしまうので、葉物類は出荷日前日(木曜)午後に凍結の緩んだタイミングで収穫しています。ご了承ください。

農場産の金ゴマを販売します。1パック50グラムで500円となります。連絡ください。

【里芋】  ファミリー 500ℊ / レギュラー 300ℊ
品種は「土垂(ドダレ)」、関東で最も一般的な里芋です。

【人参】  ファミリー 3本 / レギュラー 2本
品種「はまべに五寸」。

【かぼちゃ】  ファミリー 半割 / レギュラー 1/3割
貯蔵性のよい西洋カボチャ「白爵」。やさしい甘みです。一部表皮に痛みがあるので切り落としてお使いください。

【大根】  ファミリー 1本 / レギュラー 半本あるいは小1本
近隣の提携農家高橋さんからの出荷です。ときどき表皮に痛みがありますが、切り落としてお使いください。

【白菜 あるいは キャベツ】 ファミリー 白菜とキャベツ半玉づつ / レギュラー どちらか半玉 
白菜は大玉品種「90日白菜」。キャベツは「彩ひかり」。

【コカブ】  ファミリー 約200ℊ / レギュラー 約100ℊ
前回までは路地栽培ものでしたが、今回からはハウス栽培のカブです。品種「金町コカブ」。

【小松菜】  ファミリー 120ℊ / レギュラー 80ℊ
品種「はっけい」。寒さにあたって色も味も濃くなっています。

【一本ネギ】  ファミリー 420g / レギュラー 280g
品種「坊主知らず」。

【ホウレンソウ】  ファミリー 3株 / レギュラー 2株
ちぢみホウレンソウ品種「朝霧」。寒さにあたって葉がちぢみ肉厚です。

【大豆】  ファミリー 200g / レギュラー 100g
やさとの地大豆「青御前(アオゴゼン)」。熟しても緑色のいわゆる青大豆で、煮豆にするとまるで枝豆のような味わいです。

【オマケ みかん】  ファミリー 約10個 / レギュラー 約5個
近隣の果樹農家島村農園のみかんです。商品にならないB級品なので、形や大きさにバラつきがありますがご了承ください。減農薬栽培です。


●ローリエや鷹の爪トウガラシの在庫があります。欲しい方はご連絡ください。オマケします。

●好みや生活スタイルに応じて量や種類など野菜セットの内容を多少アレンジできます。何かご希望があればご相談ください。

●当農場の野菜はすべて無農薬・無化学肥料で栽培しています。時々虫食いなどがあるかもしれませんがご了承ください。

●根菜などの貯蔵品を除いて、野菜は原則出荷日の早朝に収穫しています。天気次第では泥汚れ・濡れなどがありますがご了承ください。





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by kurashilabo | 2017-01-27 15:07 |  L 今週の中身 | Comments(0)

170122 昼のレシピ

■170122昼
お昼は軽めの構成。昨夜、里芋、カボチャ、白菜を使ったので、まだ使っていないネギ、小松菜、カブに出張ってもらった。
全体として野菜中心にしましたが、農場の豚肉も美味しく食べてもらいたいので、スープに使ってメインを張ってもらい、野菜は副菜3品としました。

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【大豆と味噌と肉のたんぱく質スープ】
菜食中心だとたんぱく質をどう摂るかという問題があるので、それならいっそのことと思って大豆のみのスープを作ってみました。大豆の煮汁は非常に美味しいので、それをそのまま使います。

①大豆は前日から浸けなくても、お湯で戻せば2時間程度で膨らむ。
②別の鍋に水またはだし汁を入れて、戻った大豆を好みの硬さになるまで弱火で煮る。
③肉質の旨みを足すためにひき肉少量を炒めて汁に入れる。
④味噌で味を調える。大豆の食べ応えのあるボリューム系スープ。
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【ネギのチヂミ焼き】
①ネギを1cm程度にザクザク切って、塩をまぶして少し寝かす。量はその塩味になるので、多く入れすぎないこと。
②酢醤油または柚子醤油を用意しておく。
③水っぽくなったら片栗粉を全体にまぶして混ぜて馴染ませ、水を足してお好み焼きっぽい感じの緩さにする。
④フライパンで焼く。弱~中火で、片面が焼けたら裏面も。焦げ目がポイント。
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【小松菜の白和え】
以前は白和えって豆腐を食べるものだと思っていたのですが、今は野菜にかけるドレッシング的な役割だと思います。クリーム状にした豆腐が野菜の表面に馴染んであの特有の美味しさを引き出す。そんな料理ですね。
①豆腐は絹ごしで、重石を乗せて水気を切る。
②ゴマを炒ってすり鉢で細かくすりつぶす。
③小松菜は沸騰したお湯にサッとくぐらせて、水にとって絞る。
④残ったお湯に人参を千切りにして茹でる。人参は味よりも色のアクセント役で。
⑤豆腐の水がきれたら、ゴマが入ったすり鉢に入れてする。味噌、砂糖、醤油を足して味を調える。
⑥そこに小松菜と人参を入れて混ぜて出来上がり。
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【カブのあんかけ】
①だし汁でカブを煮る。
②柔らかくなったら醤油とみりんで味を調え、水溶き片栗粉でとろみをつけて完成。みりんは入れなくても。

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by kurashilabo | 2017-01-23 15:43 | レシピ | Comments(0)

2017.01.21 夜のレシピ

■2017.01.21夜
小豆、粕、ゴボウや芋など冬の養生系のメニューにしました。肉は使わず、それでもボリュームを感じられる構成にしましたが、濃厚な粕汁に加えて芋とカボチャのダブルキャストは、女性にはやや重かったかもしれません。

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【小豆ご飯】
普通のご飯(うるち)に小豆を入れて炊きました。
①小豆は最初に水をひたひたに入れて弱火で沸騰してから10分煮こぼします。
②再度、20分ほど弱火で煮たら火を止めます。
③冷めたら煮汁も入れて、いつもと同じようにご飯を炊いたらできあがり。
c0177665_15213240.jpg【粕汁】
具は、ジャガイモ、人参、ごぼう、大根、ネギ、油揚げ。コンニャクを入れたい気持ちもあったけど、買うのが癪だったので今回はパス。
①ダシは昆布と煮干か削り節(前日からつけて置くと便利)。
②野菜の切り方は好みで、大事なことは、野菜の旨みが出るように弱火でじっくり火を通すこと。
③野菜に火が通れば、粕を溶く。ミキサーで混ぜるとクリーミーになる。
④味は塩で調整。お好みで塩を減らして味噌を入れても。
c0177665_15213124.jpg【揚げ里芋のあんかけ】
①里芋の皮を剥いて、片栗粉をまぶして揚げる。片栗粉をまぶす際、皿ではなく、ビニール袋に粉と里芋を入れてしゃかしゃか振ると簡単。
②表面が茶色くなるまで15分~20分くらい。
③あんは、だし汁にお醤油とみりん、水溶き片栗粉は適量。
④刻んだ柚子の皮などを乗せると見た目も良くなる。
c0177665_15213101.jpg【カボチャ餅】
①カボチャを適当な大きさに切って蒸す。
②柔らかくなったらボウルに移してマッシュする。
③片栗粉を適量入れて、よく混ぜる。あまり少ないとまとまらないので、なんとなく程ほどの量は入れる。
④お好みの大きさに成形して、弱火~中火で両面に軽く焦げ目がつく程度に焼く。今回は二口サイズにしたが、ハンバーグ位のサイズにするとインパクトが出てメインに出来る。
⑤タレは醤油、みりん、酒、1:1:1を軽く煮詰めたものを焼いているフライパンに直接かけると蒸発して豪華。
c0177665_15213282.jpg【白菜の酢っぱサラダ】
①細めに刻んだ白菜を塩でもんでしばらく置く。
②水が出てきたら軽く絞って(ぎゅっとしなくてよい)、酢醤油と炒りゴマを混ぜたら出来上がり。酢の代わりに柚子があると尚良し。

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by kurashilabo | 2017-01-23 15:35 | レシピ | Comments(0)

ふみきコラム20170121

 超ローカルで恐縮だが、前回の地名の話を続けると、開拓地の谷津田入口あたりに「カママエ」という小字がある。カマはえぐられたような崩れ易い地形をいうが、おそらく鎌や釜のフォルムにも共通するイメージなのだろう。(ちなみに山梨に釜無し川という川があるが、この釜もえぐられたような地形、つまり淵のない川という意味らしい。)「カママエ」には確かに大きくえぐられた崖状地形がある。どうみても自然地形ではないし、昨今土砂を採掘した訳でもなさそうなので気になっていた場所だ。ボクの考えでは遠い昔、田を造成する時に土をとった跡だ。田は畑と違って地面を水平に作る必要があるので、多かれ少なかれ土木工事が必要となる。田は今は水平になっていても、もともと水平な地形などどこにもない。

 興味深いのはその崖の下で9世紀初頭の須恵器(すえき)を焼く窯が8つ発見されていることだ。今でもそこを歩くと須恵器の破片をいくつも拾うことができる。もしそれらの須恵器窯が土を採ったあとに作られているのであれば、田を造ったのはそれ以前ということになる。そこがおもしろいのである。田がいつ造られたかなど、記録に残ることなどまずないので、もしそうであるならそれが推測できる貴重な例といえる。むろんこれは推測の二階屋のような話だがボクはそう思っている。

 ところでどうしてその場所に須恵器窯が造られたのであろうか。風向が良かったのだろうか、近くに良質の粘土が出たのだろうか。いろいろな想像がひろがる。近くには工人の集落があったはずであるし、当然そこから地域全体につながる道があったし、粘土の産出もあったし、焼くためには大量の薪を使うので近くの山はまる裸か松山になっていたはずだ。(山に松林が多いのは薪をとったり落葉をかいたりすると土が痩せて松しか育たなくなるからといわれている)細部は分からないが、奈良平安の時代からこのあたりには多様な人がうごめき、窯から煙が立ち上っていたことだけは確かなのである。

 ボクたちが米を作っているのはこの谷津田の真ん中あたりだが、実はここにも同様の地形がある。沢の西側の斜面が一部えぐられていて、これも自然地形とは考えにくい。二階建ての家の屋根くらいの高さの崖が40メートル位続いている。これもおそらく田を造る時、土を採った跡だ。そこには今はヒノキが植えられ、これはありがたくないことだが「昔ちょっとだけ植えた」モーソー竹が他を圧して繁茂している。確かに竹のおかげで崖の崩れは起きないとはいえ、その日影になって一帯は暗くなってしまっている。モーソー竹やマダケは本当に強い。一旦繁りだすと生態的に優勢樹種となってしまい、他の樹種を枯らしてしまう。密生するし、背は高いし、さしものクズやフジも彼らにはかなわない。木はどんな木であれ1年、2年と月日を重ねて大きくなる。ところが竹は1年で、スギが20年かけて届く高さまで育ってしまう。木は竹にかなわないのである。
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 ここ数日、農場の人海戦術でその竹をバッサバッサと切り倒している。(切るのは楽だがあとの処理が大仕事)一気に視界が開け、明るくなる。爽快だ。竹は利用すれば色々なことに使え、切り倒して積んで腐らせるだけではもったいないが、量が多すぎてともかく一旦皆伐したいのである。来年また生えてくるので、そこで残すべきものは残すということになるだろう。

 どんな土地にも遠い昔からのいろいろな物語が刻まれている。それを読み取っていくというのも開
拓のひとつの楽しみである。
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by kurashilabo | 2017-01-22 10:44 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

ふみきコラム20170114

 『八郷町の地名』という旧八郷町教育委員会が12年程前に発行した冊子をながめていたのだが、郷土史ファンとしてはこれがなかなか面白かった。むろん興味あるところの拾い読みだけれども。 地名といってもここで話題にしているのはいわゆる「小字」だ。大字は近世の旧村に由来するもので八郷地区には53ほどある(山根53ケ村)。ちなみにその旧村が明治22年の町村制施行で8ケ村にまとめられ(ほぼ小学校の学区に対応している)、昭和29年の町村合併で八郷町となり、その八郷が平成の大合併で消えて石岡市となり八郷という名称は公的には消滅した。現在ここの表記は石岡市柿岡1297で、石岡市のすぐ次に大字(近世の旧村名)がくる。
 そういう大字に対して小字はごく身近で狭い地名で、大字の中に小字は百以上あるのが普通だ。その分小字にはその土地に生きて来た人たちがそこをどういう場所として意識していたのか、その痕跡が残されていて興味深い。時にはクリアに、時にはおぼろげに。むろん意味不明も多いし、区画整理などで消えてしまった地名も多いのだけれども。

 「開拓地」の田のあるところは「ヒゴシイリ(日越入)」というが、ヒゴシとは谷の間で狭くなっているところ(の道)というような意味らしい。その入口ということである。実際、そこから先は次第に谷は狭くなっていき、道は両側に険しい山の迫る沢沿いの細道となる。その細道が(この道は現在ほとんど消えている)筑波山の急斜面に入るところを「テバイ」という。「手這い」であり、手で這い上るほどの急坂ということである。この道で筑波山を越えると筑波山神社周辺に至り、中世までは重要な道だったようである。

 県域で中世最後の合戦となった「手這坂の合戦」はこのあたりで戦われ、二千とも三千ともいわれる兵が入り乱れての戦だったという。戦国の終わりごろのことだが、現在の八郷側の国人(こくじん。小幡氏 片野氏等)は水戸から県北を地盤とする戦国大名佐竹氏に組しており、筑波山の向こう側(現つくば市や桜川市)は小田氏の根拠地だった(織田信長の織田氏とは無関係)。この合戦で敗れた小田氏はこれを機に衰退し、県域はほぼ50万石とも80万石ともいわれる佐竹氏の領国となる。そのような意味で、地域史的には重要な合戦だったのである。周辺には長峰砦だけでなく「イッセンバ(一戦場)」とか「前棚(砦の前の平坦になった場所)」といった合戦と関係する地名もいくつか確認できる。

 ところで田の所有者は近くの「十三塚」集落の人が多いのだが、この地名も何か意味ありげで気がかりだった。しかし『八郷町の地名』によれば十三塚という小字は他にもいくつかあり(農場の裏の方にもある)ごく普通の地名でどうも村境と関係あるらしい。言われてみれば十三塚集落は小幡村の(筑波山に抜ける道の)村境に位置している。村のはずれなのである。現在では村境(近世旧村の)を意識する人など誰もいない。しかし近世までは日々の暮らしはムラ内でほぼ完結していていて村境はムラにとっては国境のようなもので、その向こう側はいわば他国だった。そういう場所として悪霊が入ってくるのを防ぐための呪術が行われたり、子どもが生まれた時の胎盤を村境の辻に埋めたりという習俗があったと聞いたことがある。村境は常に意識され警戒されている場所だったのだ。そこをどうして「十三塚」と呼ぶのかは残念ながらもうわからない。何かしら呪術的な意味があるのだろう。

 当の十三塚集落には、その名前の由来として「大ネズミと12匹の猫(?)」の伝説が残されているが、この話は十三塚という地名の本当の意味が人々から失われた後、子どもにおもしろおかしく語って聞かせるための「お話し」の類として聞いておけばよいであろう。 
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by kurashilabo | 2017-01-15 10:42 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

ふみきコラム20170107

 明けましておめでとうございます。本年もどうぞやさと農場をよろしく。

 昨年は正月早々入院でしたが今年は幸いにも家(山梨)でのんびりと過すことができました。暮れにはアーだコーだと一人突っ込みを入れながらついつい紅白歌合戦をみて、元日にはお雑煮とおせちをつついて全く平均的な日本人でありました。子供たち(もう子供ではありませんが)も皆帰省し、めずらしく家族全員が揃ったので記念写真をカシャ。あとは何もすることがなく無く、子供も独立してそれぞれ仕事をもてば特段の共通話題もないし、初詣という気分でもないので子供たちとその母親はイオンモールに初詣に行って日本資本主義に貢献し、小生は買いたいものが何も無かったので一人ファミレスで読みかけの小説を読むというどうしようもない父親ではありました。家族でのんびりというのも楽ではないのです。結婚(式)とか孫がどうのという話が出たらどうしようと恐れていましたが、幸いにもそんな話しはカケラも出ず今年もよいスタートとなりました。(いや、出てもいいのにカケラも出なかったというのは意図的に避けているということか…。)

 ところで小生、昨年あたりから字がボヤけて新聞なども読みづらくどうも老眼になったらしい。最初は車を運転していて遠くが意外とクリアーに見えるので、「オッ、ウコンはすげぇ、近眼が治ってきてる」などと喜んだのですが、新聞がボヤけて読みづらくなっていることに気付き「ひょっとしてこれ老眼?」と老眼鏡を借りて掛けてみるとびっくりするほどクリアー。いやはやついに老眼か。もともと読書家ではないがそんなこともあって活字離れが進み、最近は時間があればDVDをながめるばかり。

 しかし新聞で「土の記」(高村薫)の書評を読み、これは読まずばなるまいと正月の時間つぶし用に買い求めたのでした。高村薫は初期の「マークスの山」がとてもおもしろかったので、その後も新刊が出ると手にとるのですが、以後は緻密さと粘着力が増していくばかりで「照柿」はどうにも感情移入ができず、「太陽を曳く馬」など読み通すのが苦痛でさえありました。今回の「土の記」は文体に慣れるまでは疲れましたが慣れたらサクサクと読めるようになりました(まだ途中ですが。)

 しかし正直言って一般の人がこれを読んでどうおもしろがることができるだろうという要らぬ心配をしてしまいます。どこまでいっても何か事件や情事が起る訳でもなく、山間の棚田を作る男の心に去来する山の声、生き物の声、土の手ざわり、死者たちとの会話、ムラの風景などが延々と続いていく。男はもとシャープに勤めていた理系で、すでに70代になる男(山間の旧家にムコ入りし、妻は不可思議な事故で死んでいるという設定)であるとはいえ、「幼穂の二次枝梗原基が顔を覗かせてから二日後の七月三十一日、予定通り穂先が0.5ミリほど膨らんで穎花原基の分化が始まった。集落の棚田では一回目の穂肥を施す日が八月三日、もしくは四日といったところでほぼ揃い・・・」といった具合で、知っていればついていけるし笑えるが、知らなければ何のことやらという農事やムラの日常の記述が続く。

 小説としての良し悪しなど全く分かりませんが、考えてみると農事そのものやムラの暮しをその内部から記述しようとした小説は未だかって無かったのではなかろうか。近代的自我が捨て去ってくる背景として描かれるばかりで。それは人々の心が田園や山里、土に向かっている現代という時代と高村薫という小説家にしてはじめて為し得た偉業といえるのかもしれません。
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by kurashilabo | 2017-01-08 10:40 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

1/7(土)着の野菜セットの中身

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*写真はレギュラーセットの中身です。

【里芋】  ファミリー 600ℊ / レギュラー 400ℊ
品種は「土垂(ドダレ)」、関東で最も一般的な里芋です。

【ゴボウ】  ファミリー 400ℊ / レギュラー 250ℊ
近隣の提携農家高橋さんからの出荷です。

【人参】  ファミリー 3本 / レギュラー 2本
近隣の提携農家高橋さんからの出荷です。

【大根】  ファミリー 1本 / レギュラー 小1本
秋の虫害で出来はいまいち。小ぶりなものが多くなっています。

【大根葉】  ファミリー/レギュラー 1株
オマケですが大根から切り落とした大根葉です。お浸し、菜飯、その他料理の彩りとアクセントに。

【白菜】  ファミリー/レギュラー 半玉 
大玉品種「90日白菜」。

【キャベツ】  ファミリー 1玉 / レギュラー 半玉 
品種「四季穫」。

【コカブ】  ファミリー 約160ℊ / レギュラー 約100ℊ
白カブと赤カブのミックスです。

【タアツァイ】  ファミリー 2株 / レギュラー 1株
味の濃い中華系の葉物です。油との相性が良いので炒め物がお勧めです。

【ほうれん草】  ファミリー 約150ℊ / レギュラー 約100ℊ
品種「アトラス」。冷え込みが強くなってきて、これからが旬です。

【一本ネギ】  ファミリー 3本 / レギュラー 2本
品種「石倉一本ねぎ」。

●鷹の爪トウガラシの在庫があります。欲しい方はご連絡ください。オマケします。
●好みや生活スタイルに応じて量や種類など野菜セットの内容を多少アレンジできます。何かご希望があればご相談ください。
●当農場の野菜はすべて無農薬・無化学肥料で栽培しています。時々虫食いなどがあるかもしれませんがご了承ください。
●根菜などの貯蔵品を除いて、野菜は原則出荷日の早朝に収穫しています。天気次第では泥汚れ・濡れなどがありますがご了承ください。








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by kurashilabo | 2017-01-06 14:38 |  L今週の野菜セットの中身 | Comments(0)