<   2016年 04月 ( 8 )   > この月の画像一覧

4/30(土)着の野菜セット(レギュラーサイズ)

*写真の撮り方を変えてみました。
c0177665_15454210.jpg

里芋 400g
人参 2本
ネギ 280g
葉ニンニク 120g
コカブ 210g
小松菜 150g
のらぼう菜 80g
春菊 120g
サラダ菜 適宜
サニーレタス 適宜

二十四節気では今が穀雨、次が立夏。雨が多いですが晴れれば初夏の陽気で農場も畑も山も若緑色が鮮やか。周辺では早くも田植えが始まり夜はカエルの大合唱。至るところで生命が一気に溢れだしています。我々もいよいよ夏野菜の定植・管理が本格化しオオワラワです。

【里芋】品種唐芋(トウノイモ)、別名エビ芋。肉質がきめ細かく上品な味が特徴です。
【人参】品種黒田五寸。夏播き秋冬採り。冬に収穫して保存してあるモノで大分傷みが進んでいますがご了承下さい。今回で冬人参の在庫は終了です。
【長ネギ】分けつネギ。一本ネギがトウ立ってしまうのでの4月はネギの端境期ですが、この時期にも食用できるのが分けつネギです。春になると固くなり食味は劣りますが、やはりあると嬉しい野菜なので一本ネギとは別に栽培しています。
【葉ニンニク】一般的な玉ニンニクと品種は同じですが、熟す前に早採りしたのが葉ニンニクです。薄皮などを剥く必要もなく、葉・茎・根本の小さい玉まで全体を食用にします。刻んで炒めて中華料理などに。餃子や麻婆豆腐との相性抜群です。
【コカブ】白カブと紅白カブのミックスです。
【小松菜】2月路地播きの小松菜です。
【のらぼう菜】菜花の一種ですが茎まで柔らかく甘みがあるのが特徴。西多摩地区の地方野菜です。何度も同じ株から収穫しているとだんだん茎が細くなってくるので今回でお終いです。
【春菊】2月路地播き春菊。
【サニーレタスとサラダナ】紫色がサニーレタス、若緑色がレタスの一種ですが結球しないサラダナです。鮮やかな色合いを活かしてどちらもサラダなどに。舟
[PR]
by kurashilabo | 2016-04-29 15:49 |  L 今週の中身 | Comments(0)

開拓日記 2016年4月23日

 増え続ける遊休農地や耕作放棄地は歴史過程としてみれば、なし崩し的に進行してきた農地からの撤退が誰の目にも見えるようになってきたということだと思う。もう農地はそんなにいらないということである。
 弥生時代に以前の、自然な原野を田や畑とし、山をいわゆる里山として手入れし、そこからあらゆる富を引き出してきた長い時代が終わり、逆にそこからどう撤退するかが課題となっている歴史ステージに私たちは生きている。かっては食はむろんのこと、衣も住もエネルギーもすべて元をたどれば農地(里山を含む)から生み出された。農地こそ富の源泉だった。そのような時代には農地の拡大は善であり、富者とは農地を沢山持っている人のことであり、農地、とりわけ田は無前提に聖性を帯びることとなった。繰り返し言っていることだが、そいいう文明史的段階が1960年前後の頃にほぼ終わった。地面を隅なく耕さなければ生きられない時代は去ったのである。ひと言でいえば近代化ということだがエネルギーが薪炭から化石燃料一色になり、衣はほとんどすべて、住もその多くがすでに日本の農地に依存していない。食もまた米や野菜を除けば大豆、小麦等々自給率はきわめて低い。米は100%自給とはいっても前回述べたようにこれは政治的に底支えしているからにすぎない。その良し悪しや評価はここではおくとして、実態としては日本の社会は日本の農地からすでに離陸している。

 これはムラ共同体の解体と同じで、歴史の止め難いプロセスで逆戻りすることはない。薪炭を再評価し、生活に取り込むということはあってもエネルギーが薪炭を中心にまわるなどあまりに空想的にすぎるだろう。衣食住も同じで、自給や自然性が一部で取り込まれることはあってもそのすべてを日本の農地でまかなうようになることなどあり得ない。
 ましてこれから日本は人口減少の局面に入る。農地の必要性は更に下ることになるだろう。すごく大ざっぱな印象だけで言うのだが、日本の農地は現在の半分くらいで十分なのではないかと思う。責任ある立場の人は何の根拠もなくそんなことを言えないが、ボクは全く無責任な立場なので言うのだけれど。遊休農地や耕作放棄地が全農地の仮に1割だとしても(農業センサスでは42万ヘクタール)、見かけ耕作(実質遊休地)というのが実に多い。遊休地の割合などデータのとり方次第で、現在十分活用されている農地はすでに半分程度になっているのではないか。

 農地からの戦略的撤退ということが正面から議論されてもいい段階に来ていると思う。このままなし崩し的に農地が荒廃していくのはあまりにもったいないし、精神衛生上も景観上もよろしくない。それ以上は行政が考えればいいことだが、私見として言えば農地として今後も保全していく面積を確保したうえで、自然に還すべきところは還し、都市部から比較的近い遊休地は都市民に解放すべきだと思う。近郊に自由に使える土地が1反歩(300坪)くらいあるならば思わぬ力を発揮する都市民は少なくないはずだ。土地(大地)に対する需要はすでに田舎にではなく都市部にこそある。農地は農民に属しているという観念はすでに過去のものだ。ロシアのダーチャのように都市民の多くが近郊の遊休地を「開拓」し、コテージ付き農園をもつことができればそれは家庭菜園というレベルを超えて、医療や福祉、子育て等々多面的な効果をもたらすだろう。更には最も確かな食糧安保にもなるはずだ。
 とはいえ、このような「農地からの戦略的撤退」は農地が私有されている現在の法体制の元では実現は難しい。荒廃させておくのもまた勝手、他人も行政もうかつには口も手も出せないからだ。げに、明治の地租改正以来の農地の私的所有化は日本近代の最大の誤りと言わなければならない。

 私たちの「開拓」も農地の再開発のようにみえて、実は農地からの撤退という局面におけるひとつの小さな試行、より意図的な言い方をすれば、都市民によるこれからの人と大地をめぐるちょっとした冒険だと思っている。 S
c0177665_10254895.jpg

[PR]
by kurashilabo | 2016-04-23 10:23 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

4/23(土)着の野菜セットの中身(レギュラーサイズ)

c0177665_15184636.jpg
里芋 400g
人参 2本
葉玉ねぎ 2本
ネギ 250g
葉大根 150g

小松菜 250g
間引きコカブ 210g
のらぼう菜 170g
リアスからし菜 150g
春菊 130g

春の葉物は虫の格好の餌食。畑ではモンシロチョウが我が世の春を謳歌しています。キク科の春菊は何ともないのですが、アブラナ科の野菜はどうしても虫害を防ぎきれません。今週も小松菜・リアスからし菜・コカブ・葉大根・のらぼう菜がアブラナ科。虫食いが目立つものがありますがご了承ください。

【里芋】土垂(ドダレ)と呼ばれるネットリ系里芋の定番品種です。
【人参】品種黒田五寸。夏播き秋冬採り。冬に収穫して保存してあるモノで大分傷みが進んでいますがご了承下さい。
【葉たまねぎ】ネギに似ていますが白い部分が短く丸みがあるのが葉たまねぎ。葉たまねぎとは品種名ではなく、未熟なタマネギを早採りしたもののこと。根本から葉先まで食用できて、その味は根本が新玉ねぎで葉が青ネギといったところ。英語では「Spring Onion 春タマネギ」。その名の通り春だけの季節感のある野菜です。
【長ネギ】分けつネギ。一本ネギがトウ立ってしまうのでの4月はネギの端境期ですが、この時期にも食用できるのが分けつネギです。味は一本ネギには劣りますが、やはりあると嬉しい野菜なので一本ネギとは別に栽培しています。
【葉大根】大根の間引き菜。根はまだ小さいですがこちらも全体を葉物としてお使い下さい。茎のシャキシャキした食感を活かして料理のアクセントに。

【小松菜】2月路地播きの小松菜です。
【間引きコカブ】間引きなので玉は小ぶりですが全体を葉物としてお使い下さい。辛味のある葉は浅漬などにお勧めです。白カブと赤かぶのミックスです。
【のらぼう菜】菜花の一種ですが茎まで柔らかく甘みがあるのが特徴。西多摩地区の地方野菜です。
【リアスからし菜】鮮やかな紫色のからし菜。生でサラダなどのアクセントに。
【春菊】ハウス栽培の春菊です。
[PR]
by kurashilabo | 2016-04-22 15:19 |  L 今週の中身 | Comments(0)

やつだ開拓団 4月の種まき活動のレポート

道を歩いていて、ふとそこに、、、

c0177665_1610243.jpg
タケノコが生えてたらどうしましょう?


普通の人だったら、まあ、とりあえず「採ったどー!!」ってやりますよね。

c0177665_16104291.jpg

採ったからには、、、

c0177665_16105139.jpg
焼きたくなるのが人の性。


けっこう強火で焼いちゃっても大丈夫です。

c0177665_16105718.jpg

こんな具合にホックホクに焼きあがりました★ ワサビ醤油をつけて食べたら、これもう劇ウマですよ。劇的。
c0177665_1611354.jpg

いただきます☆

c0177665_16111486.jpg

そんでもって、食べたら寝る!これがやつだ開拓団です!!

c0177665_16112193.jpg




やさとは東京より1週間弱遅れて、桜が満開になりました。

c0177665_1611286.jpg
天気もいいので、お花見ランチで腹ごしらえ。

c0177665_1611477.jpg
夜は夜でお花見露天風呂。

c0177665_161153100.jpg
これが開拓団!!ちゃっかりお酒も入っています。


さてさて、大事な本編の活動ですが、4月はお米の種まきです。開拓地へは橋が渡って歩いて容易に行けるようになりました。
おやつのヨモギクッキーもバッチリ入ってます。

c0177665_16122546.jpg

開拓地は今は春の草がどんどん芽生えて花も咲いています。ゲンゲにヨモギにニリンソウも。

c0177665_16511696.jpg

お米は田んぼに直接播く方法もあるのですが、開拓地はまだまだ地面(土)が容易に使える状態ではないので、苗箱に種を播きます。

c0177665_16123749.jpg
通常の機械植えだと1箱100g以上播きますが、これはなんと12グラム!スカッスカ!!これで1本1本をしっかりぶっとく育てます。

c0177665_16124448.jpg
みんなでワサワサ。おしゃべりしながら活動するのは楽しいですね。今回は初めての人も来てくれました。

c0177665_16124916.jpg
それを田んぼに並べていきます。地面は均したつもりでもガタガタで大変でした。

c0177665_16125595.jpg
全体が並んだところで、

c0177665_1613016.jpg
タフベルをかけて、

c0177665_1613726.jpg
ビニールシートをかけて保温。

c0177665_16131236.jpg
これで種まき作業完了しました。団員&参加者の皆さんお疲れさまでした!

後日水位を調整して、毎日様子を見て苗を育てていきます。
(*猪が心配なので、後日、苗床のまわりを電柵で囲いました。)


苗が順調に育てば、次回は5月28日(土)、29日(日)6月4-5日に変更になりました!に田植えになります。
ぜひ皆さん、田植えに来てくださいね!


それまでに代掻きをどうやってやるのか考えて、畦を直して、作って、代掻きをして、準備を進めていきます!





.
[PR]
by kurashilabo | 2016-04-16 16:14 | やつだ開拓団 | Comments(0)

4/16(土)着の野菜セット(レギュラーサイズ)

c0177665_15185965.jpg
里芋 400g
大根 半本
人参 2本
コカブ 210g
のらぼう菜 100g
春菊 230g
法蓮草 100g
ネギ 350g
葉玉ねぎ 2本

■大根や人参はまもなく在庫切れ。開花宣言ならぬ端境期宣言です。5月末になれば新人参・新ジャガ・新タマネギ・春キャベツなどなど、一気に野菜が豊富になりますが、それまでの一ヶ月間はどうにか里芋・葉物・ネギで食いつなぐといった状況です。野菜セットの内容もボリュームダウンして傷みも見られるかと思いますが、どうかご了承下さい。
■ジャガイモの在庫は3月まででおしまいになりました。農場の新ジャガ出荷は6月予定です。

【里芋】唐芋(トウノイモ)と土垂(ドダレ)どちらかの品種の里芋が入っています。袋に「ドダレ」と表記がなければ唐芋です。唐芋は肉質きめ細かくなめらか。土垂は定番のネットリ系です。里芋追加注文の方には唐芋の親芋を入れました。
【大根】予め土中に保存してある大根をその都度掘り出して出荷していますが、暖かっくなってくると保存モノは傷んできます。来週で在庫は終了見込みです。
【人参】品種黒田五寸。夏播き秋冬採り。こちらも保存モノ、やはり一部傷みがあります。
【コカブ】今までは間引きでしたがやっと大きくなってきました。
【のらぼう菜】菜花の一種ですが茎まで柔らかく甘みがあるのが特徴。西多摩地区の地方野菜です。
【春菊】ハウス栽培の春菊。
【法蓮草】1月播種、春採りの法蓮草です。やはり冬のものと比べると味は劣りますが葉物のバリエーションとして。
【ネギ】分けつネギ。一本ネギがトウ立ってしまうのでの4月はネギの端境期ですが、この時期にも食用できるのが分けつネギです。味は一本ネギには劣りますが、やはりあると嬉しい野菜なので一本ネギとは別に栽培しています。
【葉たまねぎ】葉たまねぎとは品種名ではなく、未熟なタマネギを早採りしたもののこと。根本から葉先まで食用できて、その味は根本が新玉ねぎで葉が青ネギといったところ。英語では「Spring Onion 春タマネギ」。その名の通り春だけの季節感のある野菜です。舟





(*先週はアップしそびれて失礼しました。イバ)
[PR]
by kurashilabo | 2016-04-15 15:21 |  L 今週の中身 | Comments(0)

開拓日記 2016年4月9日

 耕作放棄地という問題にもう少し触れておきたい。戦後、農地が耕作放棄地化してきた過程は3段階くらいに分けられると思う。

 日本の農地が最大化したのはおそらく戦後食糧難の時で、その頃は戦地から男手が戻っていたし(むろん戻らない人も多かった)それまでの「産めよ、増やせよ」で子どもも多かった。また外地からの引揚者も多かったから田舎には余剰労働力があふれていた。そこで「こんなところまで」と言いたくなるような山あいの狭い土地まで開墾され耕された。それが必要だったし、できた時代だったといえる。しかし60年代に入る頃までには食糧問題は解決していたし、経済の高度成長のトバ口で工業地帯で沢山の労働力を必要としていたので田舎から都市部へ人口の大移動がはじまる。この頃山間の極端に非効率的な「農地」は耕作放棄されていく。今でも「昔はここも畑だったのヨ」と言われてびっくりするような場所も少なくない。私たちが「開拓地」と呼んでいる奥の方はそういう部類に入る。

 その次は90年代の頃までで、「(経営的に)作るものがない」ので遊休農地から更には耕作放棄地化していくというものである。田でいえばむろん減反がそうで、3割から4割が減反になったので機械の入らない効率の悪い田が休耕ないし放棄地化した。小さな谷津田などはその代表的なものである。畑では自由化により麦類の作付が無くなったことが第一。養蚕の衰退による桑園の放棄地化も大きい。抜根して畑地化してもあまりに広大で作るものが無い。農場の場合もそうだが、新規就農者が借地している畑は大半が元桑畑だったところだ。この地方でもうひとつの経営作物だったタバコも2000年代に入って急速に減り、今ではほとんど見なくなった。こうして元桑園やたばこ畑が遊休農地化し、一部では耕作放棄地化している。

 現在はその段階も過ぎ、人が消えることによる耕作放棄地化が進んでいる。農場で毎年クズ芋や芋づるをもらっていた中島のジイさんも死に、彼の芋畑は今は葛に覆われている。すでに90代で、戦後農業を中心的に支えてきた世代だ。彼らがほぼリタイアしてしまった。田舎に残って農業を継いだ団塊の世代もすでに70代になる。あと10年か20年しかもたない。彼らがいなくなれば管理耕作する人もなく畑の多くは遊休地から耕作放棄地化していくはずだ。そのあとを継ぐ人はたぶん少ない。

 このように耕作放棄地という問題はあってはならない例外的事例ではなく戦後農村の基調なのだ。「田はよく耕作されているではないか」と言う人もいるだろう。しかしよく見ると実は8割方の田はその所有者からみれば耕作放棄されている。自分では耕作せず、集落に1軒か2軒あるライスセンターとも呼ばれている事業者に作業を委託するか、貸し出しているからだ。「見かけ耕作」と言ってもいいかもしれない。そしてその事業者がなぜライスセンターをやっていけるかといえば、米価が政策的に維持されているからなのだ。関税障壁で外国米をシャットアウトすることによって、あるいは選挙でJAや農民層を取り込むために。米は政治的な作物、「聖域」なのである。

 今現在、国会ではTPPをめぐって例によって例の如き論戦が繰り広げられている。農業新聞も連日反TPPの論陣を張っている。では当の地方や農家はどうかといえば、どうもあまり怒っているようには見えない。平和な日常だ。それもそのはず8割方の「農家」にとって実は農業問題などすでにないのである。彼らの家計に占める農業収入の割合はごくわずかで(場合によると持ち出し)実際には勤め人であったり自営業であったり、年金生活者であったりする。農業経営がなければ農業問題は存在しない。(むろん「産地」と言われる地方や、このあたりでもライスセンターの事業者、畜産関係、イチゴなどの施設栽培、果樹等は経営であり、それぞれに事情は異なる。)

 しかし農業問題がなくなっても農地問題は残る。経営がなくなっても農地が無くなる訳ではないからだ。農業問題がなくなって、遊休農地、耕作放棄地の問題が地方の問題の主役として前景化するだろう。30年後には多くの地方が「消滅」するとさえ言われている。その当否はここの議論ではないが、考えてみれば地方が消滅に向かう時、美田やよく耕された畑地がそこにある訳がないのである。遊休農地や耕作放棄地という「原野」が延々と広がっているはずだ。いやむしろそれこそが地方消滅の波頭なのである。(続く) S
[PR]
by kurashilabo | 2016-04-09 10:21 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

開拓日記 2016年4月2日

 「開拓地」の魅力は何といってもそこが「耕作放棄地」だということである。谷津田は湿地だし、米を作らないとすれば他に使い道が無い。宅地にも別荘地にもならない。そして人が入らなくなり、20年、30年、40年と経てばアシやシノ竹が密生し、道は崩れ、原野以上に原野となる。持ち主もそこを耕作した世代は世を去り、子の代孫の代になるとその土地の記憶も薄れ、境界はむろんのこと、そこに「ウチの田がある」ことすら忘れられていることもある。一筆借りているジイさんが言ったものだ「オレが死んだらあそこのことを知っているのはもう誰もおらん」と。気にかける人もなく長らく放棄された谷津田はこの世から消えつつある土地なのである。
むろん耕作放棄地といえども法的所有者はいる。しかし原理的に言えば私的所有が意味を持つのはそれに使用価値があるからで、使用価値がゼロなら所有に意味はなく時間とともに私有意識は薄れていく。そこを耕作していた世代ならば愛着もあるが、子や孫になればそれも無い。

 このようにしてそこに「無主の地」が生れる。私的所有で固められ、他者を拒むばかりの地上でそこだけはとても自由な風が吹いている。遠い昔、無主の地である「河原」には世間からあぶれた者たちが住み着き、「河原者」と呼ばれた。そこから今日につながる多くの芸能が生れたといわれている。開拓地の自由な気分はどこかそういうものに通じている。

 耕作放棄地と似たことばに遊休農地というのがある。しかし遊休農地は「今は耕作を休んでいるがこの先使うかも知れず、農地として保全すべき土地」で耕作放棄地(もはや農地としては使う予定のない土地)とは違う。農場で通常借地するのは遊休農地で、トラクターを入れればすぐ使えるようなところが多い。楽ではあるがあくまで「農地」であるし、所有者やまわりの目もありあまりバカなことはできない。どこからどこまでを遊休農地としてみるかはむずかしい。管理のためトラクターだけ入れているようなところもあれば栗や麦が植えてあっても経営目的はなく荒らさないためだけというのも多い。他方、管理している人が亡くなり、跡取りもいないと必然的に耕作放棄地化していく。畜産関係やイチゴや花などの施設栽培を別とすれば当地方の畑はそのいずれかであり、大半は遊休農地化している。今の高齢世代が世を去ればその多くが耕作放棄地化していくことになる。そして20年あるいは30年のうちにこちらの谷、あちらの丘と無主の地は増殖し、新たな開拓者を待つことになるだろう。(いや、もうすでに)

 耕作放棄地の再生など本当はあまりホメられた話ではない。必要ないから放棄地化していくのであり、それで誰かが困っているわけではない。米など作っても米余りの時代に余計なことしないでくれと言われかねない。寝た子を起す、いや安楽死しつつある者を生き返らせて何になる。自然に帰す、山に帰っていく、それでいいではないか。いや、全くその通り。だがそういうことではないのだ開拓は。耕作放棄地は農地が農地としての桎梏から解放されてただの土地、誰のものでもない地面として私たちの前にマスとして出現し始めている、そういう現象として見るべきなのだ。そこで私たちは「人と自然」という現代の根本問題を体を使って考え、生きることが出来る。自由の大地、フロンティアなのである。

(念のため言い添えると「無主の地」と言ったところでそれは原論で、むろん法的所有者はいる。私たちの開拓も敬意を持って彼らから借地し、必要な手続きと必要な地代を支払い、その了解を得つつ進めている。ご心配なく。)  S
[PR]
by kurashilabo | 2016-04-03 10:18 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

4/2(土)着の野菜セット(レギュラーサイズ)

c0177665_14534242.jpg
里芋 400g
大根 半本
人参 2本
山芋 適宜
小松菜 270g
コカブ 220g
山東菜 50g
菜花 140g
のらぼう菜 70g
春菊 100g
法蓮草 70g
ネギ 200g

3月のお彼岸から桜の咲くころまでが一般的な春夏野菜の種蒔きシーズンです。当農場では収穫を早めるために踏み込み温床などを使うので必ずしも種蒔き時期は一致しませんが、やはり本格的な畑仕事のはじまり時期であることには違いはありません。春キャベツ・ブロッコリー・トマトの定植をはじめ今週も仕事が詰まっています。桜に浮かれている場合ではありません!

【里芋】品種土垂(ドダレ)。里芋といえばこれ、と言って良いであろう最もポピュラーな品種。
【大根】予め土中に保存してある大根をその都度掘り出して出荷していますが、3月になり暖かくなってくると保存モノは傷んできます。多少傷みのある場合もありますがご了承下さい。
【人参】品種黒田五寸。夏播き秋冬採り。こちらも保存モノ、やはり一部傷みがあります。
【山芋】大和芋あるいは銀杏芋などと呼ばれる粘りの強い山芋です。トロロとして使う場合は出汁などで伸ばすと食べやすくなります。形が不規則で地中深く埋まっているのでとにかく収穫が大変。当農場野菜セットでは年1・2回出荷する程度の希少野菜です。
【小松菜】少々大きくなり過ぎましたがまだ柔らかく美味しく頂けます。
【間引きコカブ】間引きなので玉は小さいですが全体を葉物としてお使いください。辛味のある葉が特徴で浅漬などにお勧めです。
【山東菜】サントウサイあるいはベカナなど呼ばれる一種の結球しない白菜です。柔らかくアクもな
いので生でも美味しく頂けます。
【菜花】小松菜の菜ばなです。
【のらぼう菜】西多摩地区の地方野菜。一種の菜花ですが茎まで柔らかく甘みがあります。
【春菊】ハウス栽培の春菊。今が一番美味しい時期かもしれ
ません。
【法蓮草】1月播種、春採りの若い法蓮草です。
【ネギ】分けつネギ。一本ネギがトウ立ってしまうのでの4月はネギの端境期です。この時期にも食用できる特殊な品種です。味は一本ネギには劣りますが、やはりあると嬉しい野菜なので一本ネギとは別に栽培しています。 




.
[PR]
by kurashilabo | 2016-04-01 14:58 |  L 今週の中身 | Comments(0)