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ドキュメンタリー映画「延安の娘」を観た

 かおりさんが図書館で借りてきたDVDでドキュメンタリー映画「延安の娘」を観た。ちょっと古いが池谷薫監督の2002年の作品である。普段ドキュメンタリーはあまり観ないがこれは出色だった。ドラマ以上に引き込まれた。文化大革命時代、北京から延安に「下放*」させられた青年たちがその地に残してきた「娘」を、すでに50代になっている彼らが実の親に会わせてやろうと世話をやくという話である。言ってみればそれだけなのだが文革とその時代を生きた人間について深く考えさせられた。当時、下放青年たちの恋愛はご法度で、まして子どもを産むなどは「下放破壊」とされ「労働改造」の対象とされた。それ故、堕胎したり、不本意にも生んでしまった子は捨ててきたらしい(労働力が欲しい地元の農民が育てる)。主人公はその捨てられた娘というより、彼女を「自分たちの娘」として世話を焼くことでそれぞれの文革と向き合う元下放青年たちなのだが、その群像に不思議な親近感を覚えた。状況は全く異なるが、そこには同時代を生きた者に共通する何かがあるように思われた。

 内容についてはコメントできるようなものはないが、それよりもまず黄土高原の荒涼たる風景に圧倒された。崖のように深く落ち込む無数の谷で削り出された乾いた台地、その延々と続く台地上を人が立てるところはくまなく耕す小さな人間。見ているだけで肌がカサカサしてくる感じ。あのような風土はどのような人間を作るのだろうか。そんなことを考えた。また同じ農業でも私たちが日頃語るような言葉も論理も通じないのではなかろうか。例えば「自然と農業」と言ったところでその「自然」がない。里山もないし川もない。草も無い(ようにみえる)。あるのはむき出しの乾いた黄土だけ。そこでは農耕だけが生物的自然なのである。もっともそこが「革命の聖地、延安」だということはあるかもしれない。9千万人が住んでいるという黄土高原が全てこんな風だとは思えない。不毛の地だった延安を人海戦術で「改造」していく、(今となって考えれば)プロパガンダ映画をその昔し観た記憶がある。

 なんだかんだと言っても私たちの自然は圧倒的に豊穣である。もう野も畑も花々であふれ木々が一斉に芽吹き、うぐいすが鳴いている。彼岸も過ぎ、農場ではいよいよ今年の米作りが始まる。4月に入れば苗代作り、タネ(モミ)蒔きだ。今年の農場の米作りは「開拓地」でやることになっている。苗代もそこで作る。とはいえ開拓地は耕したり「代掻き」したりできない。カヤが生えていた湿地は機械がもぐってしまうし、篠竹が密生していたところはその根でトラクターもはじかれてしまうのだ。またススキやイバラの株が沢山あってこれも難物だ。そこで地上部だけを地ぎわで刈払い、そのまま水を入れ、田植えは棒で穴をあけながら植えるしかない。しかも代掻きしないので水が底もれする恐れがある。何もかもやってみなければどうなるかわからない。自然農法を目指した訳ではないが、自然農法にならざるを得ない。すでに苗代用に水を入れている。私たちの自然は水で満たされている。ありがたいことに。 S
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by kurashilabo | 2016-03-26 14:48 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

2016年3月26日(土)着の野菜セット(レギュラーサイズ)

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里芋 400g
大根 半本
人参 2本
ヤーコン(高) 適宜
葉大根 200g

ネギ 240g
間引コカブ 210g
べんり菜 190g
菜花 190g
山東菜 150g
春菊 130g
二十日大根 おまけ

暖かくなると去年秋に収穫した保存モノ(里芋、ジャガイモ、大根、人参など)が傷んできますが春夏野菜の旬はまだ先。こんな春の季節が最も野菜の少ない端境期で、昔の飢饉なども必ず春に起こったそうです。人々は何とか菜ばなや山菜で食い繋いでいたとか。保存モノは去年までの畑担当鈴木さんの手によるもので、今年から畑担当となった私としてはこれからが正念場。野菜セットに飢饉をもたらさないため、毎日育苗ハウスの中の夏野菜苗に熱い視線を注いでいます。

【里芋】品種土垂(ドダレ)。里芋といえばこれ、と言って良いであろう最もポピュラーな品種。
【大根】予め土中に保存してある大根をその都度掘り出して出荷していますが、3月になり暖かっくなってくると保存モノは傷んできます。多少傷みのある場合もありますがご了承下さい。
【人参】品種黒田五寸。夏播き秋冬採り。こちらも保存モノ、やはり一部傷みがあります。
【ヤーコン】サツマイモに似たイモがヤーコンです。生食も可能で、そのまま食べると甘さ控えめな梨のような食感です。加熱調理してキンピラなどにするのもオススメです。近隣の提携農家(農場の地主でもある)高橋さんからの出荷です。
【葉大根】大根の根ではなく葉を積極的に利用するために栽培し早採りしたもの。細い根まで含めて葉物としてお使いください。

【ネギ】関東で一般的な一本ネギ。
【間引きコカブ】間引きなので玉は小さいですが全体を葉物としてお使いください。辛味のある葉が特徴で浅漬などにお勧めです。
【べんり菜】小松菜にそっくりですが、厳密には小松菜とチンゲン菜をかけあわせた「べんり菜」と呼ばれる葉物。大きくなってもみずみずしく柔らかいのが特徴ですが、違いはごく僅か。小松菜だと思って使ってください。
【菜花】小松菜かアブラ菜、どちらかの菜花を入れました。時間が経つと花が咲いてしまうのでお早めにお使い下さい。
【山東菜】サントウサイあるいはベカナなど呼ばれる一種の結球しない白菜です。柔らかくアクもないので生でも美味しく頂けます。
【春菊】ハウス栽培の春菊です。今が一番美味しい時期かもしれません。
【紅白二十日大根】ほんの僅かオマケですが色鮮やかで小ぶりな二十日大根を入れました。生のままサラダなどに。


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by kurashilabo | 2016-03-25 14:58 |  L 今週の中身 | Comments(0)

【やつだ開拓団】第二回 「夜桜・ライトアップ・露天風呂。疲れ癒され、開拓地でお米の種播き!」

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やつだ開拓団の2回目、4月の活動はお米の種まきと竹刈りをやります。

種まきは今年は開拓地で行います。苗箱に種まきをして、水を張った田んぼに並べて育てます。

竹刈りは初めての人もコツをつかめるようにレクチャーをしますので、楽しみながら綺麗な風景を作っていきましょう。

一日目は焚き火でおやつ、二日目は現地でピクニック風の昼食にしたいと思います。暖かい春の野に出て開拓を満喫しましょう。

夜は農場の露天風呂を準備して希望者は入ってください。桜の木の下にあるので、満開のお花見露天風呂、となれば最高ですね!


【Day1】
11:30 受付開始
12:00 昼食
12:45 移動(温泉に行く人はその荷物も)
13:00 活動①(2時間)
15:00 休憩(焚き火でおやつ)
15:30 活動②(1時間)
16:30 終了
17:00 お風呂/夕飯準備
19:00 夕食

【Day2】
8:00 朝食
8:30 昼食準備
9:15 移動
9:30 活動③(1時間)
10:30 休憩
11:00 活動④(1時間)
12:00 昼食(現地でピクニック風)
13:30 終了


<参加費>
●2日間通し参加:
メンバー 5,000円(農場利用料、食費)
一般 7,000円(農場利用料、食費、企画費)

●日帰り:
メンバー 2,000円(農場利用料、食費)
一般 3000円(農場利用料、昼食代、企画費)

*暮らしの実験室会員は適宜割引が適用されます。
*お子様連れも参加できます。子ども割引あります。

【開拓団員募集】
*5,000円で第二期の団員になっていただけます。
*メンバーは毎回の企画費がかかりません。
やつだ開拓団の詳細はこちらをご覧ください。
http://yasatofarm.exblog.jp/25340904/

<申し込み方法>
以下のフォームからお申込みください。
http://goo.gl/forms/UT9I5CjQ1H


<集合場所>暮らしの実験室やさと農場
     (石岡市柿岡1297-1)
      今回は11時半 集合です。
(上野駅8:49発(普通)か9:30発(特急)で、石岡駅からバス10:35発に乗ってください。)
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by kurashilabo | 2016-03-19 15:26 | お知らせ(告知) | Comments(0)

開拓日記 2016年3月19日

 開拓地では現在重機(ユンボ)を使って道をつけたり、竹や木を切り倒したりと騒々しいので、ご近所にお断りを入れとこうと思い、先日2~3軒を訪ねた。住民とはいっても集落からは離れた場所なので元々のムラの人ではなく、移住してきた人たちだ。一番近い一軒は30年ほど前に来たという元筑波大学の先生である。もう一軒も20年前程前、バブルの頃「バカな値で買ってしまった」という、これもなかなかの人品の人であった。夜ともなればキツネが鳴くかイノシシが庭を掘っているような場所によくも長く住んでいるものだと感心する。
その「バブルの頃買ってちょっと損した組」という方は丁度ボクと同年代で話がはずんだ。「この先に中世の城跡があるんだょ、案内するから行かないか」という。城とはいっても中世のものは山城、つまり自然地形を利用した砦だ。このあたりでは中世で最後となる戦いとなった場所だという。開拓地はその昔古戦場だったといは聞いていたが砦の話は初耳なので興味をそそられた。

 すぐそこだというけれども山道である。呼吸器系弱者としては一瞬逡巡したがついていくことにした。「腹を切って(手術して)以前のパワーは無いが」と言う割にはスタスタと登っていく。ボクはハァハァと息つぎしながらついていくのがやっと。「大丈夫ですか」などと声を掛けられるしまつ。来たのを半分くらい後悔した頃(時間では15分くらいのもの)やっと到着。 調査が済んでいるのかどうかは知らないが、「空堀(カラボリ)」がはっきり残っていて中世の城塞であることは間違いない。裏にまわれば「馬の背」と言ったか小さな峰の両側を人工的に削り落とし、人一人しか通れなくした峰道が造ってある。周囲には何段かのテラス状の平地が造られている。ここに筑波山の向こう側(表筑波)の小田城を本拠とする兵がたてこもり、柿岡や小幡方面の佐竹の兵を迎え討ったのである。(元亀四年三月、西暦1573年)。標識は無いが「長峯砦」と呼ばれているそうだ。
周りを覆う雑木の間から少しだけ下のムラや田が望める。台地状に突き出した場所なのでその昔は下の方が広く見渡せたのであろう。ちなみに私たちは山は昔も今と同じように木々に覆われていたと考えがちであるがそれはどうも違うらしい。昔の里山は草地や低木林がほとんどで禿山に近かったという。少し長くなるが説明すると、その理由の第一は薪炭である。昔の生活は料理も暖房もすべて薪炭であったからそのために木を日常的に切っていた。(炭は自給よりも売るためのものが多かった)しかも切るのはナタであるから大木は扱いきれない。低木林でないとダメなのだ。どの家でも365日使うので広大な里山を必要とした。第2は田の肥料として大量の若枝が必要だった。春先に若葉のついた小枝を沢山刈り取って田に踏み込んで肥料とした(刈敷)。第3はマグサである。馬や牛のエサだ。馬の役割は今の軽トラックと同じで運搬が仕事。乗馬の習慣は日本には無かったし(江戸時代は武士以外は禁止されていた)農耕馬もいなかったが(馬耕は近代になってからの技術)厩肥を採る目的もあってムラには馬が沢山いた。そのために草地が必要で(マグサ場)山や河川敷などが利用されていた。(1頭あたり約1haの草地が必要)。その他にもカヤ場があるし(屋根をふくためのススキ原)焼き畑も行われていた。このように里山は酷使されていて、低木林や草地になってしまうのである。
何の話だったか・・・そう砦だ。

 息がキツかったので見学もそこそこに登りとは別の沢沿いの道(道など無かったが)を下って帰ったのだが、近くには滝もあるのだという。滝とはいっても水量からして馬のションベン程度のものらしいが「赤滝」という名前もついている。いつか見てみることにしよう。実に有意義な一日でした。ハイ。 S 
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by kurashilabo | 2016-03-19 14:32 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

3月19日着の野菜セット(レギュラーサイズ)

(今週は写真ありません。すいません。)

■箱のなかみ  
もうすぐ春分、今回の野菜には菜花を入れました。いわゆる「菜花」あるいは「菜の花」は品種の名前ではなくアブラナ科の黄色い花の総称です。この季節になると畑はもちろん川の土手などでも菜花が見られますが、畑のものは冬を越えて抽苔した(花芽を出すこと。トウが立つなどとも言う。)小松菜などアブラナ科の葉物の菜花、土手などのものは大抵野生化した西洋カラシナの菜花です。小松菜・白菜・キャベツ・チンゲン菜・水菜など、どれも春には菜花を咲かせますが、特に食用に向いているのは小松菜と白菜。今回のセットのものは小松菜の菜花の蕾です。ほろ苦い春の味をお楽しみください。

ジャガイモ 400g
里芋 400g
大根 半本
人参 2本
ゴボウ 280g

間引コカブ 190g
小松菜 170g
菜花 150g
葉大根 120g
山東菜 110g
春菊 100g
ネギ 280g

【ジャガイモ】品種マチルダ。夏に収穫し保存してあるもの。煮崩れしにくいので煮物などに。
【里芋】品種土垂(ドダレ)。里芋といえばこれ、と言って良いであろう最もポピュラーな品種。
【大根】予め土中に保存してある大根をその都度掘り出して出荷していますが、3月になり暖かくなってくると保存モノは傷んできます。多少傷みのある場合もありますがご了承下さい。
【人参】近隣の提携農家(農場の地主でもある)高橋さんからの出荷です。
【ゴボウ】近隣の提携農家(農場の地主でもある)高橋さんからの出荷です。

【間引きコカブ】間引きなので玉は小さいですが全体を葉物としてお使いください。辛味のある葉が特徴で浅漬などにお勧めです。
【小松菜】前回までは未熟な間引きものでしたが、この暖かさで一気に成長して大きくなりました。
【菜花】秋に播き、冬に小松菜として出荷し、春に抽苔した小松菜の菜花。
【葉大根】大根の根ではなく葉を積極的に利用するために栽培し早採りしたもの。細い根まで含めて葉物としてお使いください。
【山東菜】サントウサイあるいはベカナなど呼ばれる一種の結球しない白菜です。柔らかくアクもないので生でも美味しく頂けます。
【春菊】ハウス栽培の春菊です。今が一番美味しい時期かもしれません。
【ネギ】近隣の提携農家(農場の地主でもある)高橋さんからの出荷です。
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by kurashilabo | 2016-03-19 13:33 |  L 今週の中身 | Comments(0)

開拓日記 2016年3月12日

 先週の週報でかおりさんが「開拓は自然破壊だ、アマゾンの開発とどこが違うのか」というような誹謗中傷を書いていたので少し考えてみた。
(※編集注:誹謗中傷という言葉遣いは鈴木節なので、カオリさん本人は気にしてません。)

 農業が壮大な自然破壊だということは今更言うまでもない。私たちが日頃見慣れている田も畑も集落も、川や山も田舎の風景はすべて自然破壊のあとに作られたものだ。川を例にとれば山あいの峡谷を別として、田の広がっている平場の川はすべて元々の川ではなく農業用水化されている。平野部では川は乱流するので、その流路を定め、掘り込み、土手を築き、ダム(落差)を作って支流に流し、それぞれの田に配水できるようにする。農場の前の小倉川も恋瀬川も利根川もそうである。その時その場の権力が多大な金と労力と技術を投下して治水(自然破壊)し、はじめて田を作ることができる。集落もそのあとに人為的に作られる。徳川権力による関東平野の治水と新田開発はとりわけ有名だ。もともと江戸湾に流れ込んでいた利根川を現在のように銚子の方に付替えるなどして今日見る関東平野の広大な農業地帯は出現したのである。 

 それだけ大きな自然破壊であるのに私たちは普通それに怒ったりはしない。(普通でない人は当然いると思う)むしろ田舎の風景に自然を読み取ってしまう。その理由を考えてみると、まずひとつには農業もまた自然だからである。作物が育つのも動物が育つのも要は自然の営みで、人はそこに(より増殖性を高めるために)操作的に介入はするけれども結局のところ自然の力に依存するしかない。農業はいわば自然の“まねっこ”にすぎない。そういう意味では農業による自然破壊は破壊というより「改造」と言った方がいいかもしれない。そのうえに農業的自然を出現させるための。そこが都市的あるいは産業的破壊と本質的に違うところだ。都市や工業では自然は完全に排除されなければならない。

 いまひとつは農業的破壊は自然性の完全な排除ではなく改造であるが故に自然の自己復元力が常に働いているということである。人が「管理」の手を引けばたちまちにして自然に還っていく。それは耕作放棄して30年の「開拓地」をみればわかるだろう。また除草等、農作業の多くは自然の自己復元力を押し戻し、そこを「人間の」土地としておくためのものという言い方もできる。農業は人為と自然の自己復元力とのバランスで成り立っている。(世界的にはこの復元力が弱く農耕に適さない場所も多い。)

 そして合理的にデザインされた農業圏は自然植生より生物多様性に富み、奥行きのある自然であることができる。原生的自然は安定しているがそれがその土地のもつ潜在力の全てではない。例えば当地は元々の自然植生は照葉樹林地帯だが照葉樹林というのは中は暗く、生物相もさして豊かとはいえない。また湿地帯は(開拓地のように)アシの群落となるのが普通だ。そのような場所を切り拓き、畑を作って多様な作物を育て水路を開いて田を造れば、それは原生的自然ではないが「よりよい自然」といえるかもしれない。人間的自然であるにしても。(現代では人間の破壊力が格段に大きくなったので原生的自然の「保全」は必要だが原生的自然は価値で農業的自然はバツだというのはひとつの偏見だ。農業的自然の貧困化こそ問うべきだろう。)
また農業にあってはそこに人の「暮らし」が築かれているということも重要だ。伝統社会では暮らしは田畑だけでなく、山や川にも深く依存していた。それゆえ、その自然が貧困になれば人の暮らしも貧困化する道理なので、人々はそこをより快適で持続性の高い場にするための努力を続けてきた。農業的自然はその核に日々の人の営みがあって成り立っている。

 このようにして(図式的にいえば)集落を中心としてそのまわりに田畑や用水路など「人為」の強く働くエリアがあり、その周りに里山という元々自然と人の農林業的介入の拮抗するエリアができる。(その外側は奥山という里人にとってはもはや他界、マタギや修験者など身を潔斎した人たちだけが立ち入ることができるエリアとなる。) 歴史を重ねてそれは「風土」という人間を含めた2次的生態系となって安定する。弥生の農業革命以来、人々はこの2次的生態系を日々の自然として生き死にし、その中に幸福も不幸も築いてきた。それが農業社会の基本的構造だ。原生的な「自然」という概念は近代になってもたらされたものであるし、「自然破壊」という概念などはたかだが50年ほど前から使われだしたにすぎない。そのような概念を使って農業を語ることはできない。(ちょっと変てこな文ですが続く) S 
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by kurashilabo | 2016-03-12 14:27 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

3/12(土)着の野菜セット(レギュラーサイズ)

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唐芋 適宜
大根 半本
人参 2本
ゴボウ 300g
ネギ 300g

法蓮草 320g
間引小松菜 150g
葉大根 110g
間引コカブ 90g
間引春菊 60g

栽培途中で密植したところを間引き収穫した葉物を総称して「間引き菜」と呼びます。一般市場には出回らない農家だけの野菜ですが、今週はそんな間引き菜が4種(大根、小松菜、コカブ、春菊)入りました。野菜を出荷する側の本音としては端境期の奥の手だったりもするのですが、小ぶりながらも味は決して悪くありません。お浸し・漬物・汁物などに。間引きものは比較的足が早いのでお早めにお使いください。

【里芋】唐芋(トウノイモ)という品種の里芋ですが、今回は親イモです。一般的に里芋の株の主茎の下に出来る一番大きな芋を親イモ、その周りに出来る小ぶりの芋を小イモと呼びます。里芋といえば小イモが一般的ですが、このトウノイモは親イモも美味しく頂ける品種です。箸がスッと簡単に通るくらいまで良く加熱してお召し上がりください。大きさに大小がありますので、小さい親イモには小イモを加えて調整しています。
【大根】予め土中に保存してある大根をその都度掘り出して出荷していますが、3月になり暖かくなってくると保存モノは傷んできます。多少傷みのある場合もありますがご了承下さい。
【人参】品種黒田五寸。夏播き秋冬採り。こちらも保存モノ、やはり一部傷みがあります。
【ゴボウ】近隣の提携農家(農場の地主でもある)高橋さんからの出荷です。
【ネギ】品種石倉一本ネギ。

【ほうれん草】赤い根元も甘くて美味しいので捨てずにお使い下さい。
【間引き小松菜】ハウス栽培の小松菜の間引き菜なので小さく未熟なものが多いですが、若い分柔らかく食べやすいのが特徴です。
【葉大根】大根の根ではなく葉を積極的に利用するために栽培し早採りしたもの。細い根まで含めて葉物としてお使いください。
【間引きコカブ】間引きなので根は小さいですが全体を葉物としてお使いください。浅漬などに。【間引き春菊】ハウス栽培の春菊です。未熟な分柔らかく、生でも美味しくいただけます。



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by kurashilabo | 2016-03-11 17:58 |  L 今週の中身 | Comments(0)

開拓日記 2016年3月5日

 「開拓地」では現在ふたつの作業を進めている。ひとつは苗代の準備だ。4月の頭に種を播くのでそれまでに苗代用の田を用意しておかなければならない。先の土日に「開拓団」の人たちと一緒にまず去年復活させた水路を直し、田の畔を盛り、排水路の泥さらいをしてなんとかまた田んぼらしくなった。沢からの水の取入口はパイプも水路も砂で埋まっていて大変だった。大雨になると沢の砂が大量に流入してしまうのだ。
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 いまひとつは道作りである。開拓地は今のところまともな道がなく車を入れることができない。(あるにはあるのだが、大変使いにくい)。それで西側の山の斜面に200メートルほどの新しい道を造成しているのである。将来のことを考えれば自前の道が必要だ。重機(ユンボ)を持ち込んで斜面を削ったり土盛りしたりしながらS字状にくねくねと下っていく。「ボクの前に道はない、ボクの後ろに道はできる」で楽しい作業ではあるのだが、急カーブになるところはどうしても傾斜がキツクなりがちで難しい。今日、やっとのこと重機を一番下まで下ろした。その先が難所で、4メートル位の崖になっており、そこを切り通しつつ土盛りして沢に出なければならない。しかも孟宗竹が密生していたり、廃マルチ(ゴミ)が沢山捨ててあったりでやっかいなのだ。その沢を越せば開拓地に出るのだがそのためには橋を架けなければならない。水流は2メートル幅くらいなものだが橋を架けるとなると5メートル位になる。金をかけずにどうやって車が通れる橋を架けるのか、あれこれ思案しているところだ。

 道を造っているところは竹林のキワであり、いまや竹林に飲み込まれつつある場所なので、地面の中には縦横に地下茎が走り、あちこちに孟宗竹が生えている。掘り進めるにはブチブチと地下茎を断ち切り竹は切り倒して片付け株を抜かなければならない。地下茎はまだしも株の抜き取りは予想外に大変だ。びっしりと強靭な細根をまわりや地下深くに伸ばしていてビクともしない。重機でまわりから掘っていくしかない。しかし考えてみればあれだけの背丈がありながらどんな強風にも倒れることがないのだから株元が軟弱であるはずがない。

 そんな場所なので、掘っていると地下茎と一緒に小さなタケノコを掘り出してしまうことがしばしば。はじめのうちは「ラッキー!」と拾い集めて持ち帰ってきたのだが、ゆでたり皮を剝いたりが面倒なので誰も料理に使わない。何でもありがたがられるのは始めだけ。今日もいくつか出たがそのまま埋めてしまったり放り出しておいた。夜にイノシシたちが「ラッキー!」と喜ぶことだろう。すでにイノシシたちは夜な夜な竹の子を掘っているようである。朝見るとあちこちに掘り起こした穴があり、竹の子の皮が散らばったりしている。まだ地中深くに小さく縮こまっている竹の子をどうして見つけることができるのか驚くばかり。その嗅覚や恐るべし。西洋では土中のトリュフ捜しに豚を使うと聞くがあの鼻はダテではないのである。

 毎日山の方へ「出勤」し、一人でそんなことをしていると時々とても不安になる。一体オレはこんなところで何をしているのか?何といういうバカなコトを始めてしまったのか。しかしそれも一瞬のことで、重機に乗ってエンジンをかけパコパコとやりだせばもう「土掘りハイ」になって自分の脆弱な身体や精神ことは忘れてしまう。今は何も考えないことにしよう。作業をコツコツ進めることが道を切り開く。  S 
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by kurashilabo | 2016-03-05 15:40 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

3/5(土)着の野菜セット(レギュラーサイズ)

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ジャガイモ 400g
里芋 400g
大根 半本
人参 2本
紫黄人参 各1本
ネギ 270g

ほうれん草 290g
アブラ菜 270g
葉大根 100g
間引小松菜 80g
カブ 適宜

これまでの葉物は去年の秋に種を播き厳しい冬を越えたもの(今週のアブラ菜・法蓮草・カブ)でしたが、今週から今年1月播きのハウス栽培の葉物(葉大根と間引き小松菜)を入れました。寒さに鍛えられて逞しく育った濃い葉物と比べてハウス葉物は軟弱ですが、その癖のない若々しさは春の味。これから徐々に冬野菜から春野菜へと野菜セットの顔ぶれが入れ替わっていきます。

【ジャガイモ】品種マチルダ。夏に収穫し保存してあるもの。煮崩れしにくいので煮物などに。
【里芋】品種唐芋(トウノイモ)、別名エビ芋。肉質がきめ細かく上品な味が特徴です。
【大根】一般的な青首大根。予め土中に保存してある大根をその都度掘り出して出荷しています。
【人参】近隣の提携農家(農場の地主でもある)高橋さんからの出荷です。
【紫・黄人参】加熱調理すると色が溶け出し他の食材に移ることがあるので、皮を剥いて生のままサラダなどにするのがオススメです。
【ネギ】品種石倉一本ネギ。

【ほうれん草】赤い根元まで甘くて美味しいので捨てずにお使い下さい。鳥(おそらくヒヨドリ?)に食害されて少々見苦しいところがありますがご了承ください。
【アブラ菜】ツヤがあり濃い緑色の冬菜(ふゆな)とも呼ばれるアブラナ科の葉物。少々苦味があり癖がありますが、煮物・炒めモノなどにしても存在感を失いません。
【葉大根】大根の根ではなく葉を積極的に利用するために栽培し早採りしたもの。細い根まで含めて葉物としてお使いください。一見アブラ菜と似ていますが細い根が付いているのが目印です。
【間引き小松菜】ハウス栽培の小松菜の間引き菜です。間引き菜とは欠株のリスクを回避するため多めに種を播いておいて、後から密植したところを間引きながら収穫したもののこと。そのため小さく未熟なものが多いですが、若い分柔らかく食べやすいので生のままサラダなどに。
【カブ】皮が筋っぽい場合があるので皮を剥いてお使いください。冬越しのカブはこれでお終いです。
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by kurashilabo | 2016-03-04 15:10 |  L 今週の中身 | Comments(0)

やつだ開拓団第二期 始まりました!

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やつだ開拓団第二期が始まりました。

第二期のテーマは、「美しい谷津田の風景を復活させる」です。

ちなみにこの"谷津田(やつだ)"という言葉、開拓団の名称にもなっていますが、よく耳にする"棚田"と比べると、あまり知られていないかもしれません。

そこで、まずは谷津田について簡単に説明したいと思います。

稲作をするには土や水が必要です。そんなこと当たり前、と思うかもしれませんが、岩や石ころが多い土地では農業は難しいですし、どこでも農業ができるかといえばそんなことはありません。また、水は山があって川が流れることで得られるため、文明が川の周辺で起こったのは周知のことですね。

しかし、関東に暮らしていると山はあまり見えません。それは私たちが日本で一番大きい"関東平野"にいるからです。

平野というと、庄内平野や越後平野のように米作りの産地のように思いますが、平野部で稲作ができるようになったのは比較的最近のことです。

考えてみてください。今、パソコン画面から目を離して机を見てみるとします。この平らな机を10分割して田んぼにするとしましょう。そして、どこか一箇所から水を入れて、この10枚の"机田んぼ"の隅々まで水を行き渡らせ、また、不要になったら出すことができるでしょうか?

それはなかなか難しいことです。最初の2~3枚は水が入ったとしても、傾斜がない場所で、10枚の隅々に等しく同じ量の水を入れることは難しいですし、水を抜くときも、平らな場所では水は流れていきません。

しかし、机の片側が高くなって、斜めになっていたら簡単だと思いませんか?水を入れるのも出すのもいとも簡単です。

人類の稲作は基本的にこうした地形から始まります。

傾斜が緩やかにあって、水も流れている場所。それは山の裾野です。

それ以外の場所を考えてみましょう。
山の中腹だとそもそも山であるために木を切り倒して田んぼを作るのは大変なことです。また、傾斜がきついために水の流れも速く、栄養も流れ落ちて少なく、水を溜める治水機能も少なくなります。

山から下に出てしまうと平野になります。ちなみに、平野というのは、1万年前に氷河期が終わって、山から水が流れるなかで徐々に形成されていった土地のことです。山は傾斜がありますが、山の出口は平坦です。山の土や栄養を含んだ水は緩やかに扇状に広がって平野を形成します。扇状地(せんじょうち)や三角州という言葉を学校の社会の授業で聞いたことがありますね。三角州は川から海に流れる最後の部分に作られる平野のことです。

さて話は戻って、その山の裾野とは、つまり谷津田のことです。山の沢は当然ですが周りより土地が低い場所を流れます。それは尾根筋と尾根筋の間の「谷」になった部分です。「津」というのは、物資が集まる港や、そこにできる集落などを表し、「谷津田」とは、谷間にある、ものが集まる田というような意味かもしれません。他にも、「谷戸田」や「谷地田」などという呼び方もあります。

稲作は最初、このような場所で始まり、江戸時代以降に灌漑技術が向上するにつれて、平地での農業が盛んになっていきます。やがて平地でも農地が足りなかったり、そもそも平地が少ない土地では、山の中腹で農業をすることになります。中山間地域とよばれるこのような場所は、日本の面積の70%を占め、農業生産高の40%を占めているものの、現在では高齢化による後継者不足が農政にとっての課題になっています。そのような山間部の傾斜のきつい土地で、山の形に沿った小さい田んぼを何枚も何枚も、時には1000枚も作るような場所を"棚田"と呼んでいます。

一方の谷津田も、平地での農業が盛んになるにつれて、耕作が放棄されるようになっています。谷津田は山の入り口部に位置した湿地であるため、絶滅危惧種が多数いることや豊かな生態系が残されているために、里山の保全などの活動も近年活発になってきています。山の自然そのままの地形を生かした自然観察公園なども作られています。


谷津田と棚田の違いを簡単に言うと、谷津田は谷なので周りが山や林に囲まれているのに対し、棚田は山の中腹を切り開いているために見晴らしが良い場所になっています。この二つの違いは写真で見るとすぐに理解できるでしょう。また、谷津田は生態系や自然環境の豊かさが魅力なのに対し、棚田はその風景自体が魅力と言えます。


やつだ開拓団の"やつだ"の説明をしてきましたが大まかに納得いただけたでしょうか?

その上で、第二期のテーマ「美しい谷津田の風景を復活させる」ということですが、これはもはや千枚田のような風景のことでないのはお分かりいただけると思います。田んぼ自体が小さく段々になっている点は似ているかもしれませんが、田んぼを含めた周辺の環境全体を手入れすることで現れる風景のことです。そこは小さな動植物がたくさん棲まう場所であり、蛍や星が一面に広がる場所であり、風が稲や森と共に歌う場所であり、そのような、人の手が加わることで自然が少し姿を変えて私たちの目の前に現れる美しい風景のことです。


さて、長くなりましたが、そんな第二期が始まりましたので、レポートします。

鈴木さんが造成している道を通っていきます。
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これまで直線で降りていた道を、傾斜が緩くなるように斜め斜めに降りられるように道を作っています。
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今回のミッションは2つ。①昨年作った水路の復活、②田んぼの畦を作る。

そこで、ともかく水路に詰まった砂を掘りまくりました。

掘って
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掘って
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掘って
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掘って
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堀りまくる
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扇状地の話を書きましたが、流れている水を見ると透明に見えますが、小さな砂が少しずつ上から下に流れ落ちて、1年も経つと、入り口を塞いでしまうほど堆積します。そりゃ関東平野もできるわな、といった実感が得られました。

これが取水口のパイプですが、このパイプの上にも中にも砂が詰まって水が流れなくなっていたので、
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それを男手で持ち上げて、中の砂をかきだしました。細いパイプに見えて、男手4・5人が必死になってようやく持ち上がりました。
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休憩では、竹を燃して焼いたホットケーキ。ハチミツや手作りジャムを乗せて美味しくいただきました。力仕事の後に温かいおやつとお茶が染み入りました。
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水路が復活したので、2日目は田んぼにたまった砂や崩れた畦の溝を直す作業。
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万能(まんのう)やスコップで溝を掘って、水が逃げるようにします。
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砂を掘って
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溝を掘って、
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いろんな人がいろんな場所でいろんな作業をやっています、の図。
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なんだか昨日と同じことをやっていますね(笑)
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眠っていた蛙を起こしてしまいました。
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お昼は開拓地でランチ。おにぎりは、ワカメと梅オカカの2種。
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パンは近ちゃんが差し入れてくれた宇都宮の食パンと、かわちゃんお手製のパンと、卵マヨソースと、山芋と卵を混ぜて焼いた、非常に美味しかったサムシング何か、でした。
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天気の良い日に、体を動かして、外で食べるご飯は格別に美味しいです。
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当然、その後昼寝と相成って、もう一分張りして終了しました。
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開拓地では日差しを浴びて、母子草が芽を出していました。もう春はすぐそこですね。
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開拓地では、今後

4月9-10日でお米の種まきをします。
今回は、苗代を作るための前作業、ということでした。

4月に種まきをして、
5月末(28-29)に田植えをして、
6月25-26日に除草、
7月23-24日に草刈り、
8月27-28日に猪避け柵の設置、
そして、うまくいけば10月22-23日に稲刈り、というスケジュールで活動します。

興味がある方は、どの会からでも参加可能ですので、ぜひ一緒に開拓活動しましょう!
http://yasatofarm.exblog.jp/25340904/
↑募集要項はこちらからご覧ください。


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by kurashilabo | 2016-03-03 08:33 | やつだ開拓団 | Comments(0)