<   2016年 01月 ( 7 )   > この月の画像一覧

ふみきコラム 縁側と庭的空間<後>

 今日、犬も猫もペットと呼ばれている、ほとんどの人はそのことに何ら違和感をもたない。しかしペットということばが一般化したのはさして古いことではない。確かではないが記憶では1970年代頃からで、それも当初は「お座敷イヌ」的な過剰なかわいがりを嘲笑するようなニュアンスがあった。むろんそれまでも犬も猫も飼われていたし、かわいがられてはいたが、それでも犬は犬、猫は猫の分際で、「全的に人に属している」訳ではなかった。病気になっても精々暖かく静かな場所に置かれて頭を撫でられるのが関の山で「イヌネコ病院」に連れていくことなどほとんどなかった。そもそも犬も猫も拾うかもらうもので買うものではなかった。去勢も一般的ではなかったし、テキトーに間引かれていたのである。ここでの言葉を使えば犬も猫もまだ「縁側、ないし庭的」エリアの存在者で人間界に属してはいるが他方、犬としての、また猫として自然性と論理を生きていたといえる。(犬は庭に鎖でつながれているという不幸の中にいたがそれには歴史的な理由がある。その問題はここでは省略)

 犬猫の「ペット化」は70年代以後「幾何級数的に」進んで今ではそれが普通のこととなっている。それは社会から「縁側ないし庭的」空間が失われていった歴史と明らかに対応している。彼らが生きてゆくには「ペット」という以外のありようがなくなってしまった。注意しなければいけないのは、そのペット化は飼い主をペット化するということでもあるということだ。人と動物(家畜)の関係は常に双方向的で合わせ鏡のようなものである。犬や猫が「縁側ないし庭的」空間から切り離されて、自然性を失うということはその飼い主を自己完結したプライベートな空間に閉じ込めるということでもある。ペットと飼い主が形成する世界は全くプライベートなもので自然にも他者にも開かれていない。

 「縁側ないし庭的」な場とは、この農場のように「手仕事として」作物を育てたり動物を飼ったり、小屋を建てたり、色々な人がワイワイガヤガヤと出入りしている場所だ。昭和30年代までの農家をモデルにして言えば、文字通り縁側や庭先から始まり、田や畑もそうだし、里山もそうだった。濃淡の差はあれ、そこは「庭的」な場所で、人間の働きかけと管理の意志に貫かれた場所ではあるが、同時に自然(野生)もまた力強く自らを開示していた。人と自然がせめぎあう両義的な場所、風土、そこはまた共同体的な空間で、自分という個でありつつそれがそのまま他者へ社会へ開かれていた。良くも悪しくもプライベートな個、「私」はありえなかった。考えてみればそこでこそ犬は犬であり、子どもは子どもであり、川は川、山は山であり得たのだ。

 昭和30年代以降、「縁側ないし庭的」空間が失われていったのは言うまでもなく市場経済の論理が田舎の草木一本に至るまで貫徹されたからである。「近代化」というのは贈与をベースに織りなされていた人と自然、人と人の関係を交換経済の論理一本で再編成するということであった。私たちはそれこそが「進歩」だと誤解していたと思う。そしてその結果、人々はペット化された個、経済用語でいえば単なる消費者でしかなくなった。そこでは皆、ごく私的な関心を生き、私的な言葉をささやいている。それは自然にも社会にも開かれていかない。「言葉が収縮し、躍動しなくなり」「言葉の芯、怒りの芯」が無くなったとすればそういうことと無関係ではないと思う。私たちは「他者」も「自然」も「社会」もどうでもいい「私」を生きているのである。

 いや、むろんたまごの会も暮らしの実験室も、その「他者」や「自然」「社会」を取り戻そうというもがきではあるのだけど。 S
[PR]
by kurashilabo | 2016-01-30 15:16 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

1/30(土)着の野菜セット(レギュラーサイズ)

c0177665_14594119.jpg
里いも 400g
大根 半本
人参 2本
ゴボウ 300g
ネギ 190g
生姜 適宜

カブ 300g
ほうれん草 200g
アブラ菜 200g
小松菜 190g
タアツァイ 130g

*おまけ:大豆(100g)、みかん

先週は西日本では大雪、東京でも雪が積もったとのことですが、ここ八郷ではまったく雪が降りませんでした。近所の有機農家などはよく「ここ八郷盆地は筑波山や龍神山に守られている」なんて言いますが、住んでみると本当にそうかもしれないと思ってしまいます。 節分なので少量ですが大豆を入れました。さらにオマケでミカンも。 ジャガイモは春まで在庫を温存するため出荷を毎週から隔週に変更します。里芋は在庫が沢山あるので多めに欲しい方はご連絡ください(追加料金はありません)。

【里芋】品種土垂(ドダレ)。里芋の中でも特にポピュラーな品種です。
【大根】一般的な青首大根。予め土中に保存してある大根をその都度掘り出して出荷しています。
【人参】品種黒田五寸。夏播き秋冬採り。
【ゴボウ】近隣の提携農家(農場の地主でもある)高橋さんからの出荷です。
【ネギ】品種石倉一本ネギ。
【生姜】秋に収穫して土中に保存してあったもの。末端などが多少傷んでいる場合がありますので切り取ってお使いください。

【コカブ】暖冬のこともあり大きすぎるものも少々混ざっています。
【ほうれん草】寒さにあたってそろそろ美味しくなってきたでしょうか。赤い根元も甘くて美味しいので捨てずにお使い下さい。
【アブラ菜】背の高い大根の葉のような葉物がアブラ菜。正月菜とも呼ばれます。煮物・炒めモノ・汁物なんにでも使えます。
【小松菜】色・味が濃い分アクが少々あるかもしれません。中華系の炒めモノなどにおすすめです。
【タアツァイ】シワのある肉厚な葉が特徴のアブラナ科の中華系葉物。油と相性が良いので炒めモノなどに。

【大豆】この地域在来の青大豆「青御前」。煮豆にすると枝豆のような食感になるのが特徴です。時々表面が紫色に変色している場合がありますが食べても問題ありません。
【みかん】親しくしている八郷のミカン農園「嶋村農園」さんのミカン。収穫して時間が経っているB級品ですがおまけとしていれました。無農薬ではありませんのでご了承下さい。なおミカンの注文は終了しました。 舟田
[PR]
by kurashilabo | 2016-01-29 14:47 |  L 今週の中身 | Comments(0)

ふみきコラム 縁側と庭的空間<前>

 新聞のインタビューで作家の辺見庸氏がなかなか刺激的で重いことを言っている(朝日新聞朝刊1月21日)。それは自分もうすうす感じていて、感じてはいるがうまく言えなかったところでもある。

 例えば昨年の国会前のデモについて「…『冗談じゃない、あんなもんかよ』という気がしますね。…なぜ国会前デモのあとに行儀良く道路の掃除なんかできるんでしょうかね。…安倍政権への反発というのはあるでしょう。しかしどこか日本的で、むしろ現状維持を願っているような感じがしますね…」「…『何としても社会そのものを深いところから変革したい』という強いパッションがみえない。『怒りの芯』がない。それは言葉の芯とともにどこかに消失してしまったんでしょう。この傾向は70年代から幾何級数的に進んできたと思います。市場経済の全面的な爛熟というのでしょうか、それとともに言葉が収縮し、躍動しなくなったことと関係あるかもしれません…」

 昨年の安保法制反対の国会前デモ(?)にはボクも3度ほど出かけた。しかし正直言えば何の手ごたえも感じなかったし、それで何かが変わるとも思えなかった。阻止できるともむろん思わなかった。声高に語られる言葉もあれやこれやのパフォーマンスも、聞き慣れ見慣れたものばかりで、新しい何かが生まれつつあるという感触もまた持ちえなかった。では他にどのようなやり方があるのか、どこに新しいものがあるのかと問われれば何も答えられないので黙して歩むしかなかったのだけれども。それにもましていぶかしく思ったのは自分の中に怒りの感情がない、本当は怒っていないということだった。むろん反発はある。これはマズイことになりそうだという。しかしそれは怒りではない。そして周りを見渡せば、これも老若男女、様々なパフォーマンスを見せてはいるがどこか物見遊山的で、怒りがない。デモの交通整理も主催者と警備側が話し合いながらやっている。「フランスではデモはそういうもの」というけれども茨城くんだりからシンドイ身体を引きずって出掛けてこれではなぁ…。
c0177665_15152541.jpg


 いや言いたかったこと、辺見氏の言葉に刺激されたのはそこではない。その後半のところ、「怒りの芯」「言葉の芯」がどうして消失してしまったのか、どうして言葉が収縮し躍動しなくなったのか、70年代から幾何級数的に進んだというそれは市場経済の爛熟とどういう関係があるのかというところである。辺見氏はそこをこの社会が必要とするのは怒る人間とか、変革する人間ではなく「購買者、消費者としての人間」だからだと言っている。それでいいと思うけれども同じことをボクは「縁側ないし庭的」空間が失われたからだと言ってみたいのである。(時間切れで続く) S
[PR]
by kurashilabo | 2016-01-24 15:03 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

開拓日記2016年1月16日

午前11時の「開拓地」は真冬だというのに日差しは暖かく、かすかに吹いてくる風が心地よかった。

去年、大勢でワイワイガヤガヤと切り拓いた4反歩くらいの田も、また草が繁り、それが枯れ、風に揺れている。その向こうにはシノ竹の密林が続き、人が足を踏み入れるのを拒んでいるようでさえある。筑波の山に抱きかかえられたこの2町歩ほどの元谷津田は人の気配もなくただ静かだった。病で活力の低下した身体を慣らそうと草刈をし、ひと休みして雲一つない青空を眺めていると「申し訳ないけど気分がいい」。やっとここまできた、そんな気分。

世界は混沌を極めている。益々混迷を深めていくようでさえある。ベルリンの壁が壊れ冷戦が終わった頃は、無邪気にもこれで世界は少し良くなりそうだと思ったものだ。だがそれは世界を押さえ込んでいた地獄の釜の蓋が開けられただけだった。中世も19世紀も20世紀もそのまま生きていて息を吹き返している。21世紀だと思っていたのは先進諸国の人だけだ。世界を支配してきたその西洋近代も先行きが見通せない。

そんな時に何が開拓だと思わないでもない。しかし心は開拓に赴く。申し訳ないけどそこは気分がいい。 S
[PR]
by kurashilabo | 2016-01-17 14:59 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

「暮らしの実験室 染めもの部」はじめます。

c0177665_10473510.jpg


わたしたちは、ときに、はっとするような美しい景色に出会うことがあります。今にも落ちようとする夕日の黄金色の輝き、雨に烟る森の深い緑、波間ごとに表情の異なる海の青。これらの美しい「色」を、自然の恵みの中から、自分たちの手で紡ぎ出すことができたら。

暮らしの実験室染めもの部は、「暮らしに寄り添う染めもの」をテーマに、ともに学び合う場を提供します。
自分たちで考え、試行錯誤をたのしみながら、布と自然と向き合う時間。ファッションとしての色だけでなく、自然の染料で染めることの薬効や暮らしの中でより身近な染めの在り方を、巡る季節の中で、やわらかに探究していきたいと思います。

「そめる・くらす・めぐる」

自然と暮らしの中で循環する染めものを。
年齢・性別・経験不問。好奇心と自ら学ぶことを愉しむ力をお持ちの方のご参加をお待ちしております!


■概要■

暮らしの実験室染めもの部は文字どおり「部活動」です。
入部要件は「自分たちで染めものを学び、探究することを愉しめること」。

入部にあたっては以下にご留意ください。

・年会費3,000円を申し受けます。(払い戻し不可。事務局運営と材料、染料の調達等に活用します。)
・部員となった方は、年間複数回行われる染めもの関連イベントの割引を受けることができます。
・参加の回数にかかわらず、11月の成果発表に参加いただけると幸いです。形式は皆で話し合って決めます。

【活動期間】 2016年3月~2017年2月まで

【定員】 15名 (*定員に達したため募集を終了します。多数のお申し込みをいただき、ありがとうございました。2016年2月24日)

【その他の費用】
イベント時は、農場利用料や食事代、企画経費(講師への謝礼)などの実費がかかります。
(農場利用料 1日1500円/食事代 1食500円 など)

■スケジュール■

基本的にはテーマに基づいて皆で学び合うことを中心に。
時々講師を呼んで、レクチャーをお願いし、レベルアップをはかります。

3月12-13日 ことはじめ(入部式): 染料となる草花の種まき
4月2-3日   ①桜の草木染め ②薬効を学ぶ (★)
7月16-17日 ①藍染 ②「雑草」染め (★)
8月20-21日 マリーゴールド染め・紅花染め 
11月6日 「暮らしの実験室やさと農場」収穫祭にて成果発表 
※11月以降は順次ブログとFBにて発表。
※(★)は一般参加も受け付けます。(一般参加者の人数制限あり。部員割引あり。)


■申し込み方法■

以下のバナーをクリックすると申し込みフォームのページにとびます。
必要事項を入力して、送信してください。
c0177665_10484033.jpg


フォームでの投稿ができない場合は、
somebu2016@gmail.com までお問合せください。
[PR]
by kurashilabo | 2016-01-15 14:53 | お知らせ(告知) | Comments(0)

1/16着の野菜セット(レギュラーサイズ)

c0177665_1546329.jpg
ジャガイモ 400g
唐いも 1個
大根 半本
人参 2本
ネギ 110g

白菜 半割り
ほうれん草 300g
コカブ 250g
小松菜 160g
ターツァイ 60g

先日は農場周辺で最低温度マイナス7度を記録しました。これから寒さが本番なのは重々承知していますが、日が伸びてくるのを肌で感じて気持ちが春モードになりつつあるのは私だけでしょうか。1月後半になると春夏野菜に向けて徐々に作業が始まります。

【ジャガイモ】品種マチルダ。秋に収穫し屋内に保存してあるもの。
【里芋(親)】品種唐芋(トウノイモ)。子芋はエビ芋とも呼ばれ京野菜として有名ですが今回は親芋です。芋の下側(根が出ている方)が火が通りにくいのでしっかり柔らかくなるまで加熱してお使いください。
【大根】一般的な青首大根。畑にある最後の大根ですが、凍結で首の方が傷んでいるのでカットして下半分を入れました。今後は予め土中に保存してある大根を出荷します。
【人参】品種黒田五寸。夏播き秋冬採り。
【ネギ】品種石倉一本ネギ。

【白菜】凍結の痛みを減らすため畑で頭を縛って保存しておいたもの。芯に痛みの入っているものもあるので早めにお使いください。
【ほうれん草】大きく育ち過ぎています。本当に美味しくなるのは本格的な寒さが来てから。
【コカブ】暖冬のこともあり大きすぎるものも少々混ざっています。
【小松菜】色・味が濃い分アクが少々あるかもしれません。中華系の炒めモノなどにおすすめです。
【タアツァイ】アブラナ科の中華系葉物。油と相性が良いので炒めモノなどに。
舟田
[PR]
by kurashilabo | 2016-01-15 13:45 |  L 今週の中身 | Comments(0)

1月9日(土)着の野菜セット(レギュラーサイズ)

c0177665_1543388.jpg
ジャガイモ 400g
里いも(唐) 400g
大根 半本
人参 2本
カボチャ 1/4割

白菜 半割
コカブ 280g
ほうれん草 250g
正月菜 190g
小松菜 130g
ナズナ おまけ

鈴木から引き継ぎ今年から舟田が畑を担当します。まだまだ未熟で色々失敗することもあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

【ジャガイモ】品種マチルダ。秋に収穫し屋内に保存してあるもの。
【里芋】品種唐芋(トウノイモ)。エビ芋とも呼ばれ京野菜として有名。
【大根】一般的な青首大根。大きく育ち過ぎてしまったので一部カットして出荷しています。
【人参】品種黒田五寸。夏播き秋冬採り。
【カボチャ】品種伯爵。夏に収穫し屋内で保存していたもの長期保存可能な品種ですが農場の在庫はこれで最後です。
【白菜】年末に収穫し屋内に保存していたもの。小ぶりで芯に痛みの入っているものもあるので葉物のつもりで早めにお使いください。
【コカブ】やはり暖冬のこともあり大きすぎるものも少々混ざっています。
【ほうれん草】やはりこれも大きく育ち過ぎています。本当に美味しくなるのは本格的な寒さが来てから。
【正月菜】小松菜の近縁にあたるアブラ菜科の菜っ葉。癖がないのでお浸しをはじめどんな料理にも使えます。
【小松菜】色・味が濃い分アクが少々あります。中華系の炒めモノなどにおすすめです。
【ナズナ】春の七草のひとつ、別名ペンペン草。農場の畑に自生しているものなので当然無農薬無化学肥料。正月七日は過ぎてしまいましたが、草の生命力を頂くという意味では市販されているものより優秀なはずです!舟田
[PR]
by kurashilabo | 2016-01-08 15:04 |  L 今週の中身 | Comments(0)