<   2013年 01月 ( 6 )   > この月の画像一覧

ふみきコラム 1月25日

 またSさんはオアソビ的ないし、イベント的な屠畜に反対し、「農場で子どもキャンプを開いた時に、“何かが死ぬのを見たことがないから鶏の屠殺を見たい”と言った小学生がいた」ことに違和感をもったと言っておられます。ボクにも似たような経験があります。もう30年も前の話しですが、やはり農場で親子キャンプのような催しがあり、鶏を絞めるところを見せることになっていました。農場の連中は皆「生き物がどのように食べ物になるかを経験知として見聞するのは教育として必要」ということで、それは議論にさえなりませんでした。しかし一人のお母さんがその場で「子どもに見せたくない」と強く反対され、結局流れてしまったことがあります。当時は釈然としないものがありましたが、今になるとそのお母さんの気持ちもわかります。「生き物がどのように食べ物になるかを子どもに見せておくことは必要だ」というのは前後の脈絡をわきまえた大人のものです。しかし鶏をわしづかみにし、首を切り、バラバラにしていく行為に何を感じるか、そこにどんなメッセージを読みとるかは大人の思惑を越えたところのものです。そこに妙な快感を覚えてしまう子どもがいたとしても不思議ではありません。(いないと思いますが)。解釈は開かれたものです。そこに規制はありません。そういう意味で小学生や中学生に「見せる、やらせる」というのは何がしかの危惧があることを否定しえません。

 いまひとつ注意しなければいけないのは当の大人もまた「屠畜」ということに何の倫理的態度をもちあわせていないということです。宗教的であれ何であれ、ひとつのコスモロジーの中で屠畜に対する倫理が確立しているのであれば、それは屠畜する場の構成や屠畜の仕方、屠畜する人の態度に表れるはずで、それが解釈を規制します。おそらく伝統的社会ではそのような仕方で「屠畜」という行為が潜在的にはらむ危険性を封じ込めていたのだと思います。私たちにはそのようなものがありません。屠畜が野放図に社会に開放されるのは危険なことです。それは「必要に応じて動物を殺してもよい」というメッセージだからです。そして人間精神にあっては「これは人で、これは人ではない」というのは必ずしも生物学的ではありません。極端な例で言うと、その昔(16世紀前後?)オーストラリア南部タスマニア人は海を越えてやってきた西欧人によって絶滅されられましたが、彼らは動物を屠るように面白半分に殺しまくったということです。彼らにとってタスマニア島原住民は人ではなかったからです。逆の意味で極端な例は江戸時代、元禄の頃(将軍綱吉治世)後に「生類憐みの令」と呼ばれるようになる法令がいくつか出されました。これは犬や猫などの動物を虐待したり殺したりするのを禁じたものですが、そこには動物愛護の精神を涵養することで殺戮が開放されていた戦国時代の遺風を一層したいという意図が込められていました。「動物を殺してはいけない」というメッセージを出すことで「人を殺す」気風をなくそうとしたのです。かように「屠畜」と「屠人」に本質的な意味で境目はありません。境目を作っているのは宗教であったり、文明であったり、常識であったり、要は文化です。子どもはまだ文化という衣を十分に身につけていません。このような意味でボクは鶏や豚の屠畜を小中学生に見せることに今は必ずしも賛成ではありません。隠す必要もまたないと思っていますが。

 Sさんが触れている「人を殺してみたかった」的殺人と「鶏を殺すところをみたい」という小学生の相関については、そう思ってしまう気持ちはわかりますが関係ない気がします。そのような事件の背景ないし彼らを駆り立てたものが何であるかについて論評することはできませんが(難しすぎて)、印象だけで言えば、むしろ子ども時代に十分生き物を殺していないからだともいえるかもしれません。ボクなりの言い方をすれば個人史の中で定住革命を経ていないということです。小学生から中学生の始めの頃までの子どもはまだ狩猟採集的で、生き物を捕まえたり殺すことに熱中することがあります。子どもは殺すことに存外平気です。自分の子ども時代を思い起こしても、眉をしかめたくなるような、今ではとてもできないことを平気でやっていました。(ザリガニを釣るのにカエルを捕まえてき叩き殺し、足から皮をむいてひもに縛りつけ、それを石でつぶして釣るとか。ちなみにこれはボクの発明ではなくみんながやっていたことです。念の為。)自然という教室で生き物をつかまえたり殺したり飼ったりしながら子どもは定住革命をクリアしていくのだと思います。それは言葉としては記憶されていませんが、身体的記憶としてその人の基礎を作っているのではないか、そんな風に考えています。現代の人は不幸にしてそういう環境に育ちません。小学校時代からゲームやネットですから。「人を殺してみたかった」的殺人はそういう時代の現象です。歴史が消え、自然が消えた世界で人はまともに育ちうるかというのは人類未踏の問題です。「3丁目の夕日」の世界の話しではありません。(失礼ながらSさんや?)ボクのような昭和の頭ではわかる訳がないのです。むろん屠畜がどうのこうのというレベルの問題でもありません。 S
[PR]
by kurashilabo | 2013-01-26 15:23 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

ふみきコラム 1月18日

 先の運営会議でどういう流れか(無責任にも欠席したので)よく知りませんが、豚の自家屠殺の話しがでたようで、それに対して会員のSさんが運営委員のメーリングリスト上で違和感を表明しています。先回の当コラムでボクもまた「自家屠殺と鎮魂の儀礼」という一行を書いていて、これだけではほとんど意味不明なので、これを機に少し補足説明をしたい。ただし運営会議での話と、当コラムでの話はたまたま時期が重なっただけで全く関係ありません。

 はじめにSさんのご意見へのコメント。*「屠畜場はそれなりに苦痛を与えない仕組みがある」のに対して自家屠殺は「豚を無駄に苦しませることにならないか」「悲鳴などが他の豚を不安にさせないか」という点について。屠畜場の屠殺方法は電気ショックで失神させ、直後に心臓を切り裂くというものです。それは一瞬であり、その点だけみれば無駄な苦痛を与えないといえるかもしれません。しかしそこに送り込まれるまではなかなかシビアなものがあります。1日に500頭とか800頭とかを屠畜するので、豚は電気ムチ(電気ショックを与える棒)で追いたてられたり、また思うように動かないとひどい扱いにもなります。そしてギュウギュウと追い立てられて最後は身体を挟むような形のエスカレーター状のものがあり、自動的に屠畜する場所に押し出され、そこで電気ショックで失神させられる仕組みです。その間、数も多いので豚の悲鳴ばかり。また豚は(とりわけ農場で飼っているバークシャーという品種は)仲間意識が強く賢いので、突然見知らぬ場所と異様な雰囲気の中で、見知らぬ豚と一緒にさせられるのはかなりのストレスであろうと思っています。農場での積み込み運搬と、屠畜場でのプロセスをみると、それが「苦痛を与えない仕組み」だとは私には思えません。その「怯え」が肉質にでることがまれにあります。肉の色が大変悪く、水っぽい肉になってしまうのです。たまにそれを見ると大変心苦しく申し訳ない気持ちになります。

 しかしだからといって自家屠殺が苦痛を与えないという訳でもありません。はじめに申し上げておくと、屠畜は定められた屠畜場で行わなければならず、自家屠殺というのは法律違反です。一昔前は「密殺」といって、戦後の食糧難の頃はあったようです。それで捕まったという話は身近なところでは知りませんが。農場でも自家屠殺はしていません。ボクの屠畜解体の経験は事故豚等(屠畜場まで運べない)を緊急避難的に数例したという程度のものです。(事故豚を出荷したこともありません。病死の場合は埋葬してしまい、食用にまわすことはありません。)

 また自家屠殺は、南西諸島における古来よりの自家用飼育を除き、日本で一般的に行われたこともありません。いま言ったように戦後の食糧難の時代に多少あったようですが例外的なものです。むろん豚肉がごく安価に入手できる現在、好きこのんで自家屠殺する人もないと思います。屠殺は精神的にも肉体的にもハードな作業であり、また各部位を最後まで処理するにはそれなりの手順があり、経験が必要です。誰でもできる訳ではありません。ボクの場合は毎月豚を屠畜場に運んで解体処理のプロセスを見ていたし、肉や頭、内臓などを持ち帰りカットや処理をし、加工までやっていたので、いつのまにかなんとかできるようになりました。これも例外です。

 さて、自家屠殺は「無駄な苦痛を与えることにならないか」という点ですが、これは何とも言えません。パニック状態になって、豚が本気で暴れだしたら人力ではどうにもならないし、屠畜できませんから、一瞬に処理したい訳ですがそこが難しい。ヨーロッパ(独)では自家屠殺が認められてるのか(自家消費の場合だと思いますが)、特殊な銃を使います。銃があればた易くできます。日本の南西諸島での方法はよく知りませんが、木に縛り付けたうえで水につけ失神させるというようなことを聞いたことがあります。電気ショックとどちらが「より人道的か」はわかりませんが。農場でやる場合はもっと別のやり方になるだろうと思いますが、それが屠畜場よりより多く苦痛を与えるものだとは今のところ考えていません。(続く) S
[PR]
by kurashilabo | 2013-01-20 15:21 | 鈴木ふみきのコラム | Comments(0)

暮らしの実験室の事業概要

organicfarm暮らしの実験室は「いたるところにfarmを.いたるところをfarmに.」をコンセプトに現在以下の事業を行っています。

c0177665_1153407.gif
■やさと農場
やさと農場は茨城県の筑波山の麓にある有畜複合の有機農場です。豚と鶏を飼い、その肥料を使い、野菜やお米を育てています。田40a、畑2haに鶏(600羽)、豚(40頭)、山羊(2頭)、イヌ(2匹)、ネコ(3匹)と、4人のスタッフと研修生が働きながら暮らしています。できた農産物を食べてもうらことで農場は成り立っています。



c0177665_15383477.jpg■企画部
暮らしの実験室のメッセージを農場での生産活動以外で表現していく。暮らしは自分たちの手で作るもの。まずは参加することがそのきっかけになります。面白くて深い企画を用意してお待ちしています。

●やかまし村イベント…農体験や季節のイベントを組み合わせ、自然や生き物と親しむ企画を都市の若者たちと一緒に企画。
●建築系企画…2010年の春~夏にかけてツリーハウスを建築。2011年には縄文ハウス(竪穴式住居)も作りました。
●お米と大豆の自給プロジェクト「稲豆学園」…毎年10名以上の仲間たちとお米と大豆を育てて味噌を作っています。
●そのほか、ソーセージ作り、100%自給ハンバーガー作りなどの会員による自主企画も行われています。


私たちが作る、暮らし、生き方、未来。
「明るい農業とか農村」の話しじゃなくて、都市に住んでる僕らの暮らしを具体的に変えること。
そのための「農」であり、暮らしの実験室です。

[PR]
by kurashilabo | 2013-01-20 00:00 | プロフィール | Comments(0)

2013年度の研修生を募集しています!!

暮らしの実験室やさと農場では、以下の期間、有機農業や循環型の暮らし、共同生活などに関心があり、経験や実践を積みたいという人を研修生として受け入れています。農場に住み込みながら、スタッフと一緒に畑の作業、豚や鶏の世話などを行います。興味をもたれた方はお気軽にお問い合わせください。

<研修期間>
2013年3月~2014年2月  
※期間は相談に応じます。短縮・延長も可能。

<募集人数>
2~3名 

<条件>
ⅰ農場内に住み込むこと
ⅱスタッフや滞在者との共同生活ができること
ⅲ成人(20歳以上)であること
ⅳ性別、農業経験は問いません
ⅴ正式受け入れの前に、1週間程度のおためし滞在をしていただきます。
 (おためし後、お断りする場合もあります)

<待遇>
食費、滞在費、研修費などはかかりません
生活手当を月2万円程度支給いたします
共済保険にはいります
部屋は相部屋になることもあります
1週間に1日、お休みがとれます
お盆と年末年始の休暇あります
※農閑期であれば相談の上、連休も可能です。
期間終了後、スタッフ登用の可能性があります。

<応募方法>
随時募集していますので、メールかお電話でご連絡ください。
折り返し、応募シートを送らせていただきます。

※定員になり次第締め切ります。

■連絡先 
email kurashilabo@gmail.com
tel/fax 0299-43-6769  担当:姜(かん)
c0177665_10282687.jpg
[PR]
by kurashilabo | 2013-01-17 13:24 | お知らせ(告知) | Comments(0)

2013年の味噌仕込みます!

水稲部、陸豆部で育てたお米と大豆をつかって2013年の「味噌仕込みの会」を開催します。
田んぼや畑の作業に参加していない方でも、味噌仕込みには参加できますよ~。
是非この機会に自分でお味噌を作る楽しさに触れてみませんか?

【日時】2013年2月23日10時~24日14時まで(1泊2日)
     ※24日だけの日帰り参加も可能です。

【場所】暮らしの実験室やさと農場(茨城県石岡市)
    <電車>常磐線石岡駅からバスで25分/徒歩15分
    <車>常磐道石岡千代田ICから15分

★石岡駅集合:9:30 
 *上野発 常磐線特急08:30 ⇒ 09:28 石岡駅着
        常磐線普通07:49 ⇒ 09:31 石岡駅着

~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
 9時台のバスがないので、駅まで車を出す予定です。
 都内から車で来られる方はピックアップにご協力ください。
 上記電車に間に合わなかった方は、柿岡車庫行きのバスに乗って
 柿岡というバス停から徒歩15分です。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~

【参加費】
 部員 宿泊  5000円(持ち帰り味噌2キロ+宿泊、4食込み)
    日帰り 2000円(持ち帰り味噌2キロ+農場利用料、昼食代込み)

 一般 宿泊  7000円(持ち帰り味噌2キロ+宿泊、4食込み)
    日帰り 4000円(持ち帰り味噌2キロ+農場利用料、昼食代込み)
    ※2日前から2000円のキャンセル料が発生します。
    ※会員割引は通常通りです。

【内 容】
 大豆の脱粒、選別、豆腐作り、あつあつ豆乳鍋、
 味噌仕込み など

【持ち物】
 味噌を持ちかえる容器(密閉性があるものがよい)容量2~3㍑
 防寒着(あったかい部屋着、靴下など)、エプロン、手ぬぐい

【宿泊定員】18名
(24日の味噌仕込みだけの参加は+7名まで可能です)

【参加〆切】2月17日(土)※定員になり次第締め切ります。

【申込フォーム】必ず以下のフォームからお申込みください。
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dGNOdEJ2MGtrMnNqZHhwSGloV2d5Wnc6MQ
[PR]
by kurashilabo | 2013-01-16 14:52 | お知らせ(告知) | Comments(0)

一年の活動報告

今更遅くなりましたが、、、

今年一年のお米の栽培記録報告でっす!!
【圃場】石岡市半田(谷津田)1.5反 【肥料】農場産鶏糞45kg(3袋)/畝 【田植え】手植え 【除草方法】チェーン除草(1回目)、田車除草(2,3回目) 【中干し】10日間 【稲刈り】手刈り(半分)、バインダー(半分)、その後、天日干し(2段掛け)
c0177665_2131127.jpg
5/19-20 田植え 天気もよく最高の田植えでした。以下、準備から振り返っていきます!


c0177665_2104222.jpg
4/2 種籾播き 今年はプール苗代に挑戦!これがまぁ大変に楽でした。


c0177665_21108.jpg
手動の播種機で70枚播きました。こいつには毎年お世話になります。頼れる相棒です。


c0177665_21166.jpg
5/1 播種後1ヶ月 順調に育っています。


c0177665_2111271.jpg
6/9-10 田植えを経てからの、3週間後。田車除草 雨の中の作業。がんばれーい。


c0177665_2111925.jpg
退治した雑草たち。へっへっへー


c0177665_211252.jpg
やっつけたり。勇者たちなり!いぇい!!


c0177665_2112940.jpg
6/23-24 また懲りずに生えてきましたよ。。。


c0177665_2113451.jpg
田車除草。1回目とは別働隊で退治!密かに稲が大きくなってます


c0177665_2114175.jpg
お昼ごはん。この時間が楽しみなのだぁ~。幸せ~♪


c0177665_211479.jpg
野鴨も除草に参戦か!?


c0177665_212027.jpg
7/14 (57日目)。分けつが進んできました。株数で40。


c0177665_212727.jpg
中干し 地面にひびがはいって、根をしっかり張ります。


c0177665_2121311.jpg
9/29-30 稲刈り 黄金色に染まった田んぼ!手刈りっ!!


c0177665_2121979.jpg
紐で縛って小田掛けします。


c0177665_2122691.jpg
記念の一枚!丸2日、お疲れ様でした!早く食べたいっ


c0177665_2123254.jpg
その後、終わらなかったところは農場スタッフで!


c0177665_2123972.jpg

脱穀 快晴の一日。ハーベスタで脱穀していきます。


c0177665_213226.jpg
袋詰め。後は籾すりして発送を待つだけ!
[PR]
by kurashilabo | 2013-01-15 20:58 | レポート(報告) | Comments(0)